話題と人を呼び込んだ巨大モニュメント 「お手本」のイカ像は今…

AI要約

能登町の観光交流施設に設置された巨大なイカキングは、繊維強化プラスチック製で全長13メートル、高さ4メートル、重さ5トンのスルメイカのモニュメントである。

製作費の一部に新型コロナウイルス対策の国の交付金を使用したとして批判を浴びたが、SNSで話題になり、設置からわずか16カ月で6億円以上の経済効果をもたらした。

2024年の能登半島地震で被害を受けたが、イカキングは無事であり、復興のシンボルとして期待されている。

話題と人を呼び込んだ巨大モニュメント 「お手本」のイカ像は今…

 鹿児島県南さつま市が巨大モニュメントの成功例として注目するのが、石川県能登町が作った「イカキング」だ。町の観光交流施設「イカの駅つくモール」にあり、全長約13メートル、高さ約4メートル、重さ約5トンの繊維強化プラスチック(FRP)製。ピンクに輝くスルメイカを忠実に再現している。

 2021年4月の完成時には、製作費2700万円のうち2500万円に新型コロナウイルス対策の国の交付金をあてていたことから批判の声も上がった。だが、SNS(ネット交流サービス)などで取り上げられたことで話題に。イカの腕に巻き付かれて捕まったような「映える」写真が撮れるスポットとして人気を獲得し、町によると、設置から16カ月で6億円以上の経済効果をもたらした。

 24年1月の能登半島地震では、イカキングの周辺を膝上ほどの高さの津波が襲い、旅館などが被害を受け、モールも一部の電気系統が壊れた。

 一方、モニュメントそのものは無事で、X(ツイッター)のイカキング公式アカウントは「津波が迎えに来ましたが、海には帰らず、いつもの場所に居ます。奥能登が好きだから。これからも奥能登を元気にするぞ」と投稿した。

 モールは現在もレストランが休業中で、以前のにぎわいこそ戻っていないが、町はイカキングに復興のシンボルの役割を期待する。町ふるさと振興課の青木秀勝課長補佐は「イカキングに的を絞ったイベントを計画している」と明かした。