【コラム】「東海石油」は国家級ロト?…我々はまだ宝くじを買っただけ=韓国

AI要約

韓国の浦項にて莫大な量の石油・ガス埋蔵の可能性が高く、時価総額はサムスン電子の5倍程度に相当する2260兆ウォンとされる。

実現すれば韓国の名目GDPを凌ぐ経済効果が期待され、ノルウェーのような資源富国となれる可能性があるが、確定はされていない。

過去の油田調査の不十分な結果と今回の発表について楽観過ぎず慎重に見守る必要がある。

「サムスン電子の時価総額の5倍」。昨日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が「浦項(ポハン)の迎日湾(ヨンイルマン)沖に莫大な量の石油・ガスが埋蔵されている可能性が高いという物理探査の結果が出た」と発表した後、安徳根(アン・ドクグン)産業通商資源部長官が話した内容だ。安長官は「140億バレル程度の莫大な量が埋蔵されていると推定していて、現在の価値でいえばサムスン電子の時価総額の5倍程度」と明らかにした。

この日基準でサムスン電子の時価総額は452兆ウォン(約51兆円)水準であるため2260兆ウォンという金額になる。韓国の昨年の名目GDP(国内総生産)2236兆3000億ウォンとほぼ同じ規模だ。韓国の1年間の経済活動価値に匹敵する。実現すれば「国家級ロト」に当せんするようなものだ。

尹錫悦大統領の発表の後、すぐにノルウェーが思い浮かんだ。ノルウェーは不毛の地だったが、1969年に北海沖で石油が発見されて資源富国になった。国民所得が世界トップ水準となり、油田開発剰余金で運営するノルウェー政府年金基金は世界最大になった。迎日湾で実際に石油とガスが出れば韓国は運命が変わるかもしれない。ノルウェーのように剰余金を年金に投入すれば枯渇危機に直面している国民年金問題をかなり解決する。石油とガスの輸入が大きく減るため経常黒字も増える。中東の石油富国ほどではないが、国家経済力が強まり国民生活が潤う。

しかしあくまでも石油とガスが実際に出てこそ可能なことだ。現在のところ何も確定的なものはない。過去50年以上、韓国は東海を調査してきたが結果は不十分だった。昨日の発表をあまりにも悲観する必要もないが、確定したことのように楽観してもいけない。

キム・ドンホ/経済エディター