夏に多発する水難事故に備えよう、東京湾遊漁船業協同組合が落水社救助訓練

AI要約

東京湾遊漁船業協同組合は、安全対策のために落水者救助訓練を18年ぶりに実施。遊覧船の沈没事故を受け、安全対策意識を高める取り組みを行った。

訓練では、落水者の救助を模擬し、実際に海上保安庁と協力して実技を行い、AEDによる蘇生訓練も実施された。

遊漁船業界の安全への取り組みや落水時の対応方法について訓練を通して徹底する必要性が強調された。

夏に多発する水難事故に備えよう、東京湾遊漁船業協同組合が落水社救助訓練

 東京湾遊漁船業協同組合は4日、東京・大森の「まる八桟橋」で「令和6年度・落水者救助訓練」を実施した。同組合では、毎年組合員と従業員の安全に対する意識を高めるため「安全対策会議」「安全講習会」を開催している。実地での訓練は2006年(平18)9月に実施して以来、18年ぶりとなる。

 今回は一昨年4月、北海道・知床で起きた遊覧船の沈没事故により、小型旅客船の安全対策への関心が高まる中、遊漁船も改めて安全対策に取り組む意識を高めようとの狙いで行った。

 当日は晴天に恵まれ、桟橋には組合員を中心に約60人が集結した。同組合の中山賢理事長が「遊漁船業では、安全への取り組みは重要な課題。落水事故はいつ起きてもおかしくないので、訓練は非常に大事です」とあいさつ。海上保安庁東京海上保安部警備救難課の協力を得て、実技に入った。

 実技は、桟橋に係留した釣り船から実際に落水、これを救助するという形で行われた。まず同組合事務局スタッフや組合員などが落水、落水者が骨折していた場合なども想定して、乗客に扮(ふん)した組合員が釣り船に装備されているロープ付きの浮輪と縄ばしごを使って救助した。

 続いて、東京海上保安部警備救難課による、装備(ファイバーライトクレードル)を使った救助の実技と質疑応答。日本水難救済会による落水時の泳ぎ方(エレメンタリー・バックストローク)の実演が行われるなどした。海上での実演が終わると、桟橋で東亜建設工業の協力で、講師がAEDを使用した蘇生訓練を実施した。