リサイクルが難しい海洋プラスチックごみを水素に 実証実験を公開

AI要約

海洋プラスチックごみのリサイクル実証実験が行われ、水素などの再利用が可能となる可能性が示された。

川崎市の船が海洋内でプラスチックごみを回収し、リサイクル工場で処理される過程が紹介されている。

海洋プラスチックごみの増加が深刻化しており、今後の対策が急務となっている。

リサイクルが難しい海洋プラスチックごみを水素に 実証実験を公開

 ごみの問題が深刻化する中、リサイクルが難しいとされる海のプラスチックごみを回収し、水素などを作り出して再利用する実証実験が公開されました。

 海洋汚染の原因とされるプラスチックごみは様々な種類があり、分別に手間がかかるほか塩分や紫外線による損傷がひどいため、多くがリサイクルされず焼却処分されています。

 川崎市では毎日、港湾内を巡回する船で作業員が網を使ってごみを回収しています。実証実験では、集められたプラスチックごみを化学大手「レゾナック」のリサイクル工場に運び、家庭から出た使用済みのプラスチックごみと同様に細かくし、一定の形に整えます。

 この工場は20年以上稼働していますが、海洋プラスチックをリサイクルするのは初めてです。

「プラスチックの種類を選ばずに、いろいろなものを選別の工程なく処理できることが最大のメリット。水素と一酸化炭素が出るが、水素はアンモニアの形にして皆さんの生活を支える基礎化学品に変わる」(レゾナック 基礎化学品事業部・加藤一美さん)

 水素は合成繊維や肥料などの原料になるほか、近くのホテルで発電用に利用されています。

 海洋プラスチックごみは、2050年までに魚の量より多くなるという予測もあり、喫緊の課題とされています。(ANNニュース)