トヨタなど5社 認証不正 「メーカー側の気の緩みだが、国際競争のためには 認証制度の見直しも必要」自動車評論家が指摘

AI要約

自動車評論家の国沢光宏氏が、トヨタ自動車など5社の「認証不正」問題について課題を指摘した。

国土交通省が5社に型式指定の不正申請があったことを発表し、国沢氏は認証制度の複雑化による背景を解説した。

国際競争力低下への懸念や中国企業の台頭について言及し、認証制度の見直しが必要性を指摘した。

トヨタなど5社 認証不正 「メーカー側の気の緩みだが、国際競争のためには 認証制度の見直しも必要」自動車評論家が指摘

自動車評論家の国沢光宏氏が6月4日(火)、ニッポン放送のニュース番組『飯田浩司のOK! Cozy up!』(毎週月~金曜日 朝6時~)に電話出演。トヨタ自動車など5社の「認証不正」問題について、その認証制度の課題を指摘した。

国土交通省は6月3日、トヨタ自動車、マツダ、ヤマハ発動機、ホンダ、スズキの自動車・二輪車メーカー5社について、量産に必要な型式指定の不正申請が確認されたと発表した。

同番組に電話出演した国沢光弘氏はこれを受け、型式指定の認証制度の現状について、「昔は項目も非常に少なかったが、排気ガス規制の開始、安全基準の厳格化、電気自動車の進化もあって、近年どんどん複雑になってきている」と解説し、不正の背景に言及した。

今回のトヨタの事案の中の「衝突試験」では、日本では1,100kgの衝撃で試験・評価をしなければいけないところ、より大きな衝撃であるアメリカ基準の1,800kgの試験・評価だけをしている。こういった流れが他の事案でも起こっており、「厳しい基準でクリアしているのであればいいでしょう、というメーカー側の気の緩みがあった」と国沢氏は指摘した。

一方で、この認証制度による日本車の国際競争力低下への懸念も示し、「認証項目が極端に増えていて、認証を取るまでに、例えば最低1年かかるようなものもある。以前は開発速度が遅い欧米メーカーが競争相手なので良かったが、開発の速い中国の会社が台頭してきた。これにキャッチアップするには全くスピード感が足りないので、例えば日本とアメリカで認証を受ける際に、アメリカの基準のほうが厳しければ、アメリカの基準(を満たす試験データ提出)のほうだけでもいいという制度にして、工程を減らしていかないと、(世界競争は)とても厳しい。見直しが必要」と指摘した。