日産、下請けとの取引適正化へ新組織 相談受けるホットラインも

AI要約

日産自動車の内田誠社長が、下請け法違反の勧告を受けたことを受け、新組織設置を発表。

新組織は内田社長の直轄で、取引先からの相談や通報を受け付けるホットラインを設ける。

日産は公取委の勧告を受け、内田社長が自主返納を行っていることを明らかに。

日産、下請けとの取引適正化へ新組織 相談受けるホットラインも

 日産自動車の内田誠社長が31日、横浜市内で記者会見し、3月に公正取引委員会から下請け法違反の勧告を受けた後も、一部の下請け企業から取引に対する不満が上がっていたことを受け、下請けとの取引の適正化といった対応を強化するため、新たな組織を設置すると発表した。

 新組織は内田社長の直轄。取引先からの相談や通報を受け付けるホットラインを社外に設ける。6月から開始予定で、取引先支援を強化する。内田社長は「これまで行き届いていない点があった。今後適正な取引が実現できるよう取り組みを強化したい」と述べた。

 日産を巡っては、公取委が3月、再発防止の勧告を行った。取引先36社に対し、一度決まった支払代金から計30億円超を不当に減額したと認定された。

 この日の会見で、外部弁護士を中心とするチームは公取委から勧告を受けた後も不適切な取引を続けていたとの一部報道について否定した。

 同チームは社内関係者への聞き取りやメールなどを確認して調査した。日産の購買業務委託先が行った部品メーカーに対する調達で、日産側の目標金額を記載したメールを送ったことなどがあったが、減額を強要するものではなく、「現時点で法令違反を断定的に評価する状況にはない」とした。

 日産は31日、3月の公取委の勧告を受け、内田社長が4~6月にかけ、月額報酬の30%を自主返納していることを明らかにした。【秋丸生帆、加藤結花】