「まるで古代魚」京王の新型車両、デザインどう決まった? 置き換え車両は? 地下鉄直通は? いろいろ聞いてみた

AI要約

京王電鉄が2026年に新型の通勤車両2000系を導入することが決まり、そのデザインがSNSで話題になった。

2000系は人の感性を分析できるAIを活用して開発され、外観や内装には「円」をモチーフとしたデザインが取り入れられている。

新型車両は京王電鉄の置き換え対象となる7000系に代わるものであり、今後の運用や増備も検討されている。

「まるで古代魚」京王の新型車両、デザインどう決まった? 置き換え車両は? 地下鉄直通は? いろいろ聞いてみた

 京王電鉄が新型の通勤車両2000系を2026年初めから導入します。この車両、発表されるやいなや、そのデザインがある魚に似ているなどとSNSでも話題になりました。そのデザインはどう決まったのか。また、置き換え対象の車両や今後の運用はどうなるのか、京王電鉄に聞きました。

 2000系は開発にあたり、京王グループの感性AI株式会社が提供する、人の感性を分析できるAIを活用。利用者や社員の声をもとに、次世代に求められる鉄道車両の内装や設備、デザインの在り方を議論したそうです。その上で、複数のデザイン案をAIで分析し、決定したといいます。

 

 外観は、前面・側面ともに「円」をモチーフにしたラウンド型とし、“多くの人が優しさを感じ、安心できる車両”を表現。内装も同様にラウンド型がモチーフとなっています。5号車には京王電鉄初の大型フリースペース、各車両には車いすスペース1か所、「ナノイーX」方式の空気清浄機2台、車内防犯カメラが4台設置されます。

 

 さらに、京王7000系電車と比較して省エネ性能を約20%向上させた、フルSiC素子を用いた新型VVVFインバータ制御装置を導入するほか、次世代の車両情報管理装置なども採用します。

 2000系は、2027年3月までに10両4編成の計40両が総合車両製作所で製造される予定。京王電鉄によると、置き換え対象は主に7000系の非貫通車両(4両編成と6両編成を連結して10両で運用する車両)になるそうです。車両と車両の間の通り抜けができない7000系を2000系で置き換えることで、車両併結による非貫通車両の解消を図る方針です。

 

 また、「置き換え対象となる7000系は、1983年度に第1編成が入線しており、経年劣化が進んでいるため、今後も計画的な代替を検討しています」と話します。まずは40両の新型車両が導入されますが、さらに増備される可能性もありそうです。

 

 これまで京王電鉄が製造してきた9000系(30番台)や5000系は、都営新宿線への直通に対応していますが、「2000系は京王線用の10両編成となりますので、都営新宿線への相互乗り入れは行いません」とのこと。

 

 2000系の投入が発表された際、SNSでは見た目がかわいい古代魚「サカバンバスピス」に似ているという声が相次ぎ、話題となりました。京王電鉄によると「SNSでご指摘いただいたようなお声を頂いていることは認識しておりますが、弊社でのデザイン過程で意識したものではありません」とのこと。「サカバンバスピス」に似てしまったのは「たまたま」のようです。