「棒みたいな主翼に16基プロペラ」の異形民間機、なぜこの形に? 驚愕設計の納得のメリットとは

AI要約

ドイツ航空宇宙センターが研究しているユニークな形状のプロペラ民間機には、16基の小型プロペラが配置されており、分散型デザインで重量軽減と抗力低減を実現している。

多数のプロペラにより大きな揚力を生み出し、1基の故障にもスムーズに対応できるメリットがある。

設計案では電気推進によるCO2排出の抑制が特徴であり、今後の電気航空機は従来機と異なる外観を持つ可能性がある。

「棒みたいな主翼に16基プロペラ」の異形民間機、なぜこの形に? 驚愕設計の納得のメリットとは

 ドイツ航空宇宙センターでは、ユニークな形状のプロペラ民間機の研究を進めています。現行の民間機と比較して主翼がまるで棒のように細く、そこに左右各8基、計16基のプロペラがついているというものです。これにはどのような効果が期待できるのでしょうか。

 16基のプロペラはそれぞれ、これまでの旅客機のエンジンと比べて小型となっており、その分推進装置の数が増える「分散型」と呼ばれるデザインです。同センターは翼に沿って配置された多数の小さなプロペラがより大きな揚力を生み出すほか、翼面積を縮小することで重量を軽減し、抗力を低下させ、推進に必要な出力を低減することができるとしています。

 また、推進装置が多い分、たとえば1基が故障したとしても現行よりはるかにスムーズに、リスクなく飛行を継続できるメリットもあるとも紹介しています。

 なお、この設計案では、推進に電気を用いることでCO2の排出を抑えることができるというのが最大の特徴として掲げられています。異形の外観はこれにともない設計を見直した結果とのことで、担当者は公式サイト上で、「将来の電気航空機は、私たちが慣れ親しんでいるものとはかなり異なるものになるでしょう」とコメントしています。