従業員を19年比20倍に ルネサスがインド市場攻略に本腰
ルネサスエレクトロニクスがインド市場で攻勢をかけ、デジタライゼーションを武器に売上高構成の引き上げと従業員数の拡大を目指す。
同社はインド市場での商機を見出し、概念実証製品やデジタライゼーションに注力することで成長を目指す。
さらにアルティウムの買収や教育機関との協業などを通じて、事業拡大を図る計画を進めている。
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ルネサスエレクトロニクスがインド市場で攻勢をかける。電子機器設計ソフトウエアなどを生かし製品の付加価値を高める「デジタライゼーション」を武器に、2022年で5%未満だったインド向け売上高の構成を30年までに10%に引き上げる。事業の拡大に伴い、25年中に現地従業員数を最大1000人規模、19年に比べ20倍にする。
ルネサスは、顧客が求める機能の具体的な見本となる概念実証(PoC)製品に、インド市場での商機を見出している。日本から進出する企業より「地元企業を(顧客の)主体に考えている」(柴田英利社長)とし、電気自動車(EV)などの車に加え、二輪車もターゲットにする考えを示した。
武器として打ち出すのがデジタライゼーション。16日に開いた投資家向け会見には、ヴァイスプレジデントでソフトウエア&デジタライゼーション部門責任者のブブナ・アイヤギャリ氏も登壇。既存顧客に加え電子機器設計に新規参入する企業などをソフト面で支援する方針を説明した。
さらに同社は、プリント基板(PCM)設計ソフトと共同作業用ソフト基盤に強みを持つ米国アルティウムを24年下期に9000億円で買収完了予定。電子機器設計とライフサイクル管理(LCM)の統合基盤を2年間で構築する計画。買収から2~5年後に顧客の既存ツール群を新基盤に組み込めるようにする。
インド事業拡大で人員も拡充。インド工科大学(IIT)を中心とした教育研究機関や教員、学生との協業も深める。