日本は崩壊の危機に直面している…再び円安が進むとの不安が充満「5月に値上げされる飲食料品は417品目」

AI要約

円安が物価上昇の要因となり、日本の経済に影響を及ぼしている。現在、円安と物価上昇が国民に影響を与えており、政府や日銀の為替介入も一時的な効果にとどまっている。

円相場の歴史的な低水準により、輸入品価格の上昇が物価に影響し、消費者物価指数の上昇が見込まれている。日銀は2%の物価目標達成に期待を寄せているが、賃金と物価の好循環が容易ではない状況である。

2023年には消費者物価指数が過去最高の上昇率を記録し、円安が原材料費の上昇を招き、家計の負担を増大させる。企業の2025年の想定レートとの乖離も懸念されている。

日本は崩壊の危機に直面している…再び円安が進むとの不安が充満「5月に値上げされる飲食料品は417品目」

 円安の進行は物価上昇の要因となる。モノの価格が上昇すれば、お金の価値は下がり、円安に向かいやすい。今、円安と物価上昇が国民を襲っている。政府・日本銀行による為替介入で円高方向に振れる場面が見られたが、効果は一時的との見方は根強い。日米の金利差を背景に円安ドル高は続き、実質賃金が下がる状況から抜け出せない状況だ。経済アナリストの佐藤健太氏は「日銀が追加利上げに踏み切れば、企業の借り入れや住宅ローンの金利上昇につながる。それだけの『体力』が今の日本にあるのか拙速な判断は避ける必要がある」と見る。

 円相場は年初に1ドル=140円台で推移していたが、4月29日に160円台となり、1990年4月以来34年ぶりの水準を記録した。日銀の植田和男総裁は4月26日の金融政策決定会合後の記者会見で、円安が物価上昇に及ぼす影響は「無視」できるレベルとの見方を示し、円売りを招いた。

 歴史的な円安水準を受けて政府・日銀は4月29日と5月2日に円買い介入を実施し、一気に円高へと振れた。だが、足元の為替レートは1ドル=155~156円程度(5月20日時点)で効果は限定的とみられている。介入原資も無制限というわけにもいかず、政府・日銀による“静観”が見透かされれば再び円安が進むとの不安が充満する。

 多くのモノを輸入する日本は円安進行によって輸入品価格が上昇すれば、物価上昇の打撃を受ける。日銀が4月に公表した今後3年間の見通しを示す「展望レポート」によれば、消費者物価指数(生鮮食品を除く)は2024年度に前年度に比べプラス2.8%となる見通しだ。2025年度はプラス1.9%、2026年度はプラス1.9%である。

 この通りに推移すれば、日銀が目標として掲げる「2%」の物価目標は達成される。植田総裁は「全体のインフレ率は下がってきており、実質賃金、実質所得が改善の方向にあるということで消費が少し強い動きを示していくことに期待感を持っている」と指摘する。だが、賃金と物価の好循環が見通せる状況かと言えば、そう容易いものではない。

 2023年の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年比3.1%アップした。2年連続の上昇で、1982年の第2次オイルショック以来41年ぶりの高い伸びだ。円安は原材料費の上昇を招き、家計の負担増は高まる。5月17日の日経新聞によれば、主要企業の2025年3月期の想定レートは平均で1ドル=約144円という。実勢との乖離がどのように作用していくのか警戒は尽きない。