最高値更新の米国株、まだ十分に上値余地-モルガンSのスリモン氏

AI要約

米株式市場が最高値を更新しているにもかかわらず、投資家は現金に固執している状況を指摘。しかし、アンドルー・スリモン氏は米国株にはまだ上値余地があるとの見方を示す。

市場が現行サイクル中の不安を示唆している状況にあると分析し、強気相場の初期兆候として捉える。

投資先の決まっていない現金が豊富にあることは株価上昇のカタリストとなり、相場が上昇を続けるとFOMO(乗り遅れることへの恐怖)が強まる可能性がある。

(ブルームバーグ): モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントのアンドルー・スリモン氏は、米株式相場が最高値を更新しているにもかかわらず投資家は現金に固執していると指摘し、米国株には上値余地がなお十分にあるとの見方を示した。

同社シニアポートフォリオマネジャーのスリモン氏は21日にブルームバーグテレビジョンで、株式への期待が低い一方、利回り5-6%の米財務省短期証券(TB)が選好されている状況は、市場がいまだに現行サイクル中の「不安」部分にあることを示唆すると分析。

「強気相場における初期の兆候だ」とし、「市場は強気相場の後期にはより高いリターンを期待する」と述べた。

S&P500種株価指数は今年これまでに11%余り上昇している。経済データや企業業績が堅調なことや、年内の米利下げ開始期待が背景にある。

しかし、投資家の確信度合いは依然低く、米投資信託協会(ICI)の最新データによれば、短期金融市場への資金流入額は5月15日終了週に160億ドル(約2兆5000億円)余り増加し、6兆ドルを超えた。

スリモン氏は、投資先の決まっていない現金が豊富にあることはさらなる上昇へのカタリストだとし、その理由として株式相場が上昇を続けた場合、FOMO(乗り遅れることへの恐怖)が強まるはずだからだと述べた。

同氏は昨年、相場を楽観的にみるという正確な分析を行った。S&P500種は年間で24%上昇した。

原題:Morgan Stanley’s Slimmon Sees Stocks Soaring Beyond Record Highs(抜粋)

--取材協力:Romaine Bostick.

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