君島十和子さんだからこそ語れる“超高級車”の魅力! ショーファードリブンの楽しみ方とは

AI要約

君島十和子さんは、ベントレー・コンチネンタルGTによってクルマと運転の楽しさに目覚めたが、実用面で難しさを感じ、小まわりの利くクルマに乗り換えた。

家族旅行で香港に行った際、ザ・ペニンシュラ香港の送迎車であるロールス・ロイスの『ファントム』に乗り、ショーファードリブンの楽しさも知ることとなった。

ロンドンでもファントムのショファードリブンを楽しみ、自分で運転するときとは違った景色や体験を楽しんだ君島さん。イギリス車に乗ると自分らしくいられると感じる。

君島十和子さんだからこそ語れる“超高級車”の魅力! ショーファードリブンの楽しみ方とは

愛車を見せてもらえば、その人の人生が見えてくる。気になる人のクルマに隠されたエピソードをたずねるシリーズ第37回。後編は、美容家の君島十和子さんが憧れのロールス・ロイスとエレガントに共演!

君島十和子さんは、ベントレー・コンチネンタルGT(2代目)によって、クルマと運転の楽しさに目覚めたという。けれども、実用という面だけを考えると、決して扱いやすいクルマではなかった。

「まず車体が重くて、この車重だと入れられないという機械式パーキングが結構ありました。あとはハンドルが切れなくて、都心の裏通りの狭い駐車場へ入れるのに困ったことも何度かありました。まだ子どもが小さかったので、遠い駐車場に停めるのはなにかと不便で……。そこで一度、小まわりの利くクルマにしてしまったんですね。趣味より実用を選んだ、という感じでした」

いっぽうで、お子さんも大きくなったいまは、自身の好みで選んだクルマに乗るタイミングが近づいていることも感じているという。

「学校に迎えに行ってからお稽古に送りに行く、ということもなくなりましたし、最近のビルの機械式駐車場は大きなクルマも受け入れてくれるので、環境面も変わりました。だからもう一度ベントレーとか、あるいはレンジローバーとか、そういうクルマに乗るのもいいかなぁ、と、思っています」

やはりイギリス車が好きなのだろうか?

「それほどたくさん乗ったわけではありませんが、イギリス車の雰囲気は好きかもしれません。機能的に優れているというよりも、イギリス車に乗っていると私らしくいられる、というか……家や会社にいると、母だったり妻だったりディレクターだったり、必ず役割があるじゃないですか? でもクルマに乗っている時だけは、ほかのだれでもない自分自身になれる時間なので、それがイギリス車だとなおさら自分らしくいられるから不思議なんです」

ベントレー・コンチネンタルGTのほかにもう1台、君島さんには記憶に残るクルマがあるという。

「まだ子どもたちが小さかった頃に家族旅行で香港に出かけました。ザ・ペニンシュラ香港の送迎車がロールス・ロイスの『ファントム』で、空港から海の上を走る高速道路で市街地に向かうと、香港の街並みが近づいてきます。そうしてホテルのエントランスに滑り込んで行くのですが、家族で見たその光景や体験がとても印象的で、心に残っています」

自身でハンドルを握ることも好きな君島さんであるけれど、この時、ショーファードリブンの楽しさも知ったという。

「自分で運転しながら見る景色と後席から見る景色は、やはりフレームが違うのでしょうね。どちらが好きということもなく、両方とも素敵な体験として心に残っています。ファントムは乗り心地とか静かさも圧倒的で、大型の客船に乗っているかのように、ゆったりとした気分になります。旅行って、普通だとホテルの部屋に着いて荷物を解くと、旅が始まると感じるじゃないですか。でもファントムの場合は、空港から走り出した途端に旅の楽しみがスタートする感じです。帰りも空港まで送っていただきながら景色を眺めていると、旅の余韻に浸れます」

仕事で海外に行く機会が多い君島さんは、ロンドンでもファントムのショファードリブンを楽しんだという。

「ハイドパークやナイツブリッジのあたりをドライブしましたが、普段見るロンドンの街並みとは違った景色が広がっているように感じました。あまりに興奮して、窓を開けてYouTube用の動画を撮っていたら、ドライバーに、『そんなことをしているとバイクにカメラを盗られてしまいますよ』と、たしなめられましたが(苦笑)」

では、ショーファーが運転するファントムで日本を旅するとしたら、どこがふさわしいだろうか。

「そうですねぇ……、東京でも京都でも神戸でも、どこでも似合うと思います。きれいな海でもいいかもしれませんが、ちょっと猥雑な感じがする場所、たとえば新宿の真ん中などは、街の見え方がまるで変わるのでおもしろいかもしれませんね」

コンチネンタルGTの運転席と、ファントムの後席。そのどちらも楽しいというリアルな実体験は、なかなか聴く機会はない。

なるほど、ショーファーカーも楽しいのか、と、感心させられる取材だった。

1966年東京都生まれ。FTCクリエイティブディレクター、美容家。雑誌の専属モデルや女優として活躍後、結婚を機に芸能界を引退。その後、美容への意識の高さから多くのメディアで取り上げられる。現在はテレビや雑誌などにくわえ、自身のSNSでもさまざまな情報を発信する。

文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) ヘア&メイク・冨沢ノボル スタイリング・間山雄紀(M0) 編集・稲垣邦康(GQ) 撮影協力・鳩山会館