豪中銀、CBDCはホールセール向け優先と決定
オーストラリア準備銀行(RBA)がホールセール市場向けの中央銀行デジタル通貨に取り組むことを決定した。
プロジェクト・アケイシア(Project Acacia)と称するデジタル通貨作業計画が3年間で始まり、ホールセール市場の効率性、透明性、強靭性の向上が主な焦点となる。
リテール市場向けCBDCについては今後も検討が続き、政府の導入判断や法改正が必要になる可能性がある。
豪州の中央銀行であるオーストラリア準備銀行(RBA)のブラッド・ジョーンズ(Brad Jones)総裁補佐が、ホールセール(金融機関などの大口業務)市場向けの中央銀行デジタル通貨(CBDC)に優先的に取り組むことを決定したと9月18日発表した。
ホールセール市場向けCBDCはリテール(小売り)市場向けCBDCよりも経済的効果が大きいと判断されるためだ。
ジョーンズ氏は、RBAと財務省が「プロジェクト・アケイシア(Project Acacia)」と称する3年間のデジタル通貨作業計画を開始したと明らかにした。
このプロジェクトは、トークン化されたマネーと新たな決済インフラを通じてホールセール市場の効率性、透明性、強靭性を向上させることに重点を置いている。
ホールセール市場向けCBDCがもたらす効果には、カウンターパーティーリスクと運営リスクの軽減や、透明性と監査能力の向上、金融機関と顧客にとってのコストの軽減などが挙げられる。
RBAと財務省はリテール市場向けCBDCについては今後も検討を続け、2027年に追加の報告書を発表する方針。リテール市場向けCBDCが採択された場合、政府が導入の是非を決定しなければならず、法改正も必要になりそうだ。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
豪中銀、デジタル通貨はホールセール向け優先と決定