今後はすべてのライダーの必需品になるかも!? ヒョウドウの『エアブースト』とは

AI要約

エアバッグウエアの認識を変える新しい製品『エアブースト』について、ロードレース用だけでなくストリートやアドベンチャーにも対応している点に驚きを感じた。

製品企画課プロダクトマネージャーの見城行宣さんから、エアブーストの特長や使い方について詳細に説明を受けた。

エアブーストはバイクにセンサーやケーブルを取り付ける必要がなく、インナーベストとして使用することで、脱着の簡便さや着心地の良さが特徴とされている。

今後はすべてのライダーの必需品になるかも!? ヒョウドウの『エアブースト』とは

 転倒時にライダーの身体をケガから守るエアバッグウエアは、基本的にロードレース用のアイテムです。以前の私(筆者:中村友彦)を含めて、世間ではそういう認識の人が多い気がします。

 おそらくその背景には、脱着の煩わしさや価格の高さがあるのでしょう。とはいえ、2024年3月の東京モーターサイクルショーで、ヒョウドウプロダクツが開催した『エアブースト』の発表会に参加した私は、既存のエアバッグウエアとの差異を実感し、自分の中の認識の変化を感じたのです。

 と言っても、発表会で全容を把握できたわけではありません。そこでヒョウドウプロダクツ本社を訪れ、製品企画課プロダクトマネージャーの見城行宣さんに、エアブーストの話をじっくり聞いてみることにしました。

 3月の発表会で私が最も驚いたのは、トラック(サーキット)、ストリート、アドベンチャーという3つのモードが存在することでした。つまりヒョウドウのエアブーストは、ロードレースに特化した製品ではないのです。

「ロードレースのイメージが強いのは事実ですが、エアバッグウエアはストリートやオフロードでも有効な装備ですからね。ただしオフロードに関しては、エンデューロやラリー、林道ツーリングなどに対応する一方で、動きが特殊なモトクロスはエアブーストの守備範囲外になります。なお各モードのアルゴリズムには、世界中の一般ライダーに加えて、MotoGPやSBK、ダカールラリーなどに参戦するレーサーのデータも活かされています」(見城さん。以下同様)

 脱着に関するエアブーストのわかりやすい特徴は、バイクにケーブルやセンサーを取り付ける必要がなく、単体で機能が発揮できることと(車両から離れる際に、接続を解除したり電源をオフにする必要がない)、アウターの上に重ね着ではなく、インナーベストとして使用することです。それらに加えて、取材前にエアブーストをツーリングでテストした私にとっては、着心地が至ってナチュラルで、違和感が皆無なことも印象的でした。