バブル期に世界最速として話題になったリスター・ジャガー「XJ-S 6.0」が744万円で落札! グッドウッドにも招待された由緒正しい個体としては激安!?

AI要約

「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(FoS)」は、英国ウエストサセックス州で開催される世界最大級の自動車イベントであり、リスター・ジャガー「XJ-S 6.0」が注目を集めている。

リスター・ジャガーはイギリスのスポーツカーレース史に輝く名門で、XK型6気筒DOHCエンジンを搭載したレーシングスポーツ車「ノブリー」で知られる。

1986年に復活したリスター社は、ジャガー「XJ-S」を改造し、V12エンジンとスーパーチャージャーを搭載した「XJ-S 6.0」を製造・販売し、スーパーカーとして名を馳せた。

バブル期に世界最速として話題になったリスター・ジャガー「XJ-S 6.0」が744万円で落札! グッドウッドにも招待された由緒正しい個体としては激安!?

毎年7月、英国ウエストサセックス州チチェスターで開催される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(FoS)」は、世界最大級と称される自動車のお祭り。昨今の世界的イベントの例にもれず、オフィシャルオークションも催されますが、その重責を委ねられた名門ボナムズ社の「Goodwood Festival of Speed」オークションでは、誰もが認める素晴らしいクラシックカーにくわえて、ちょっと変わり種、あるいはマイナー好みともいえるクルマたちも見受けられました。今回はそのなかから、英国のレース史に輝くコンストラクターが製作したコンプリート・チューンドカー、リスター・ジャガー「XJ-S 6.0」を紹介します。

「リスター・ジャガー」は、とくにイギリスのスポーツカーレースの歴史においては、もっとも輝かしい名前のひとつと称されている。

ケンブリッジの鉄工所社主で、レーシングドライバーとしても活躍していたブライアン・リスターによって設計・製作。ジャガーXK型6気筒DOHCエンジンを搭載したレーシングスポーツは「ノブリー(Knobbly)」というニックネームを授けられ、1957年シーズンのスポーツカー英国内選手権において、「隻腕の名手」として知られたアーチー・スコット・ブラウンの操縦で、「ブリティッシュ・エンパイア・トロフィ」制覇をはじめ連戦連勝の大戦果を挙げることになった。

開祖ブライアンの没後、家族に託されたリスター社は、1986年にエンジニアのローレンス・ピアースによって買収され、サリー州レザーヘッドに拠点を置く「リスター・カーズ社」として復活。「BLEオートモーティブ」および「WPオートモーティブ」との契約により、同時代のジャガー「XJ-S」を「リスター・ジャガー」に改造したモデルとして製作・販売し、リスターの名は世界最速のロードカーとして、再び世に知られることになる。

ローレンス・ピアースのエンジニアリングの意見を取り入れ、新生リスターが開発したXJ-Sには6LのV12エンジンと2基のスーパーチャージャーが搭載された。その結果、最高出力は488psまで引き上げられ、XJ-Sは一躍スーパーカーの仲間入りを果たした。

そのパフォーマンスに適応するため、サスペンションやブレーキ、ホイールもアップグレード。さらに、アグレッシブなボディキットと豪華なレカロ製レザーインテリアも与えられることになったが、代償として1988年当時の価格は8万8000ポンドにものぼった。

そして1995年まで進化を遂げた「マークIII」、なかでもフルハウスのコンバージョンを施したモデルは、ドナー車両の価格に加えて5万3505ポンド+VAT(付加価値税)という驚異的なプライスが設定されたものの、それでも約90台にもおよぶリスター・ジャガー XJ-Sが製造されたといわれているのだ。