母が19歳と17歳の孫のために「500万円」ずつ贈与してくれることに。この「2歳差」で2人の贈与税額に差が出るって本当ですか?

AI要約

孫への贈与税について、年齢と税率の関係を解説。

特例税率と一般税率の違いや基準金額について詳細に述べられている。

孫への贈与税を避けるための対策についても言及。

母が19歳と17歳の孫のために「500万円」ずつ贈与してくれることに。この「2歳差」で2人の贈与税額に差が出るって本当ですか?

祖父母が孫のためにとお金を貯めているケースもあるでしょう。一定額まで貯まったら実際に孫へお金を渡す方もいますが、孫の年齢によっては贈与税の金額に差が生まれます。

兄弟姉妹間の差をなくすためには、贈与税が発生しないようにするといった対策が必要です。今回は、贈与税の税率と年齢の関係などについてご紹介します。

贈与税の税率には「特例税率」と「一般税率」の2種類があります。特例税率は、直系尊属から、贈与を受けた年の1月1日において18歳以上の方へ財産を贈ったときに適用される税率です。一方、一般税率は特例税率に当てはまらないケースで、未成年の方が財産を受け取った場合や、夫から妻へ財産を渡した場合などに適用されます。

どちらの税率も、1年で受け取った金額が基礎控除額の110万円を引いて300万円以下であれば税率と控除額は変わりません。しかし、300万円を超えると税率が適用される金額の基準に差が生まれます。贈与税の税率について、特例税率を表1、一般税率は表2にまとめました。

表1

出典:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税) 贈与税の速算表 <特例贈与財産用>(特例税率)」を基に筆者作成

表2

出典:国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税) 贈与税の速算表 <一般贈与財産用>(一般税率)」を基に筆者作成

今回は、以下の条件で2人の孫に送られた金額にかかる贈与税を求めましょう。

・孫は19歳と17歳

・それぞれに500万円ずつ渡している

・ほかに贈与はない

500万円から110万円を引くと390万円です。まず、19歳の孫だと特例税率が適用されるため、税率15%、控除額が10万円となり、税額は48万5000円になります。

対して17歳の孫は一般税率が適用され、税率が20%、控除額は25万円です。計算をすると、税額は53万円になります。

年齢によって、同じ金額を孫に送っても税額は4万5000円の差が生まれます。実際に贈与税を支払うのは受け取った側のため、納税額に差が出ると孫の間でトラブルになる可能性も考えられます。

家族間で差を生まないためには、孫が2人とも成人してからお金を渡すか、生活費や教育費として必要な都度渡す、非課税となる制度を活用するといった対策が必要です。