まっ黄色に塗られたボディのアメリカンスクールバス……その理由が深すぎた!!

AI要約

スクールバスはアメリカで児童生徒の安全な通学手段として重要な存在であり、その歴史や規定について紹介されている。

スクールバスの安全基準は1939年に44項目にわたって制定され、黄色い車体が採用された理由も説明されている。

黄色のスクールバスは目立つ色であり、児童生徒の安全を確保するための取り組みとして重要な役割を果たしている。

まっ黄色に塗られたボディのアメリカンスクールバス……その理由が深すぎた!!

 「バス」はマクロな乗り物であるため、誰もが知っているほどメジャーな存在になるケースは珍しい。しかし例外はもちろんあり、その中で世界を跨いだ知名度を誇るのが、英国の2階建てロンドンバスと、アメリカのスクールバスだ。

文:中山修一

写真(特記以外):バスマガジン編集部

(アメリカのスクールバスの写真付き記事はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください)

 「学校」と名の付く通り、児童生徒が自宅と学校の間を移動するために用意されている交通手段がスクールバスだ。

 アメリカでは州によって異なるようだが、学校に通い始める頃~運転免許を取るまでが、大まかな利用対象年齢になっている。

 自宅から学校までの距離も利用可否の基準になっているようで、こちらも地域によって差があり、1.6km(1マイル)以上あるいは3.2km(2マイル)以上だったり、学年で距離が変わる場所も見られる。

 何よりも子供を保護する観点から、スクールバスには一般的なバスよりも高い安全性が求められており、実は細かな規定が決められている。

 規定には車両の規格も含まれ、車体の大きさやドアの寸法のほか、「色」も重要な点であるのがポイントだ。

 アメリカでスクールバスが走り始めたのは、それこそ自動車の黎明期まで遡れるほど昔の話らしい。とはいえ初期の頃は規定などなく、地域や学区によってバラバラであった。

 「それでは良くない」と考えた人物が、アメリカのコロンビア大学で教授を務めていたフランク・W・シアー博士と言われる。

 1地域に留まらず、アメリカ全土で共通の基準を設けて、より安全な通学手段を確保するよう働きかけを行ったとされる。

 それにより、1939年4月に車両の各所寸法や色など44項目の安全基準が制定されることになった。この基準には車体の色も含まれ、複数のサンプルを比較して選ばれたのが黄色だったわけだ。

 何故黄色になったのか……これは見た通り「目立つから」という理由が最も大きい。遠くからでも視認性の高い、とにかく目立つ色で統一すれば、誰が見ても黄色いバス=児童生徒の送迎用だと判別が付いて安全啓発につながる、という期待も持たれていたようだ。