『ビリオン×スクール』山田涼介の情熱溢れる最後の授業 ラストを飾るゼロ組のソーラン節

AI要約

『ビリオン×スクール』最終回では、加賀美を主人公としつつも、ゼロ組の生徒たちも物語の主役であることが明確に示される。

加賀美の励ましを受けて生徒たちが成長し、お互いに支え合う姿が感動的に描かれた。

最終回では熱量の高い芝居と共に涙で幕を閉じ、加賀美や生徒たちの成長を見守ることができた。

『ビリオン×スクール』山田涼介の情熱溢れる最後の授業 ラストを飾るゼロ組のソーラン節

 ドラマ『ビリオン×スクール』(フジテレビ系)が9月13日に最終回を迎えた。

 怒涛の展開で進んでいく最終回、第11話を観て感じたのは、この作品はもちろん加賀美(山田涼介)が主人公ではあるのだが、ゼロ組の生徒たち、一人ひとりもまた人生という名の物語の主役であるということだ。

 転落事故に遭った際、生命維持のために脳の一部をAI化されていたと知った加賀美。目の生気を失うほどに落ち込む加賀美だったが、臨時集会で涙ながらに理事長の辰巳寅二(正名僕藏)へと処分取りやめを訴える生徒の姿から、逆に加賀美自身が励まされ、教わっていた。

 最後の授業で加賀美は「完璧な教師などいない」とこれまでの生き方を全否定するようなことを言い出す。「答えは誰か一人が持っているものではないからだ。迷ってるやつがいたら、全員で答えを見つけてやれ。どん底に落ちそうになったら、恥もプライドも捨てて周りに頼りまくれ! きっと、誰かがそこから連れ出してくれる」「教え合うことに上も下もない」「全員が生徒であり、全員が先生だ」と加賀美の最後の授業は続く。

 『ビリオン×スクール』は職員室でのアドリブのやりとりが、SNSでも話題になりがちだが、加賀美と生徒たちのやり取りも気持ち、魂のぶつかり合いと言えるような情熱溢れる芝居が魅力でもあった。それは回を重ねるごとに熱量が高まっていき、最終回では迫るクランクアップも相まって嗚咽するほどの涙、涙のラスト授業となった印象だ。

 笑いを堪えきれない山田涼介の姿は『ビリオン×スクール』を通じて何度も見てきたが、声を詰まらせ泣くのをグッと我慢する様子はなかなか見られなかった。それほど山田にとっても『ビリオン×スクール』が思い入れのある作品になったということだろう。

 加賀美が前に進むためのティーチ(安達祐実)のデリート、秘書を辞任した芹沢(木南晴夏)への「君はずっと、俺のそばで俺を支えろ」という加賀美のプロポーズとも取れる言葉があったかと思えば、相変わらずの口喧嘩(空港ということで映画『世界の中心で、愛をさけぶ』)が始まるところも仲良しでよろしい。

 ラストを飾るのは、ゼロ組が文化祭に向けて練習してきたソーラン節の披露。「ゼロは無限になれるということだな」(加賀美零)、「はい。最初の1さえ見つければ」(芹沢一花)というセリフはそれぞれの名前にかけた明らかなメッセージであることは言うまでもない。

 これにてクールは終わり。なかなかいいクラスだった。