バフェットいわく「目を見張るような数字も、最後にゼロをかければゼロになる」…投資で重要なのは「何回勝ったか」ではない理由【株式投資の金言】

AI要約

投資において、失敗を他者のせいにすることではなく、自身の責任を受け止める姿勢が重要である。

ウォーレン・バフェットの言葉から、投資において利益を追求する際の重要性が浮き彫りになる。

投資の世界では一度の失敗が全てを台無しにする可能性があるため、慎重な判断が必要である。

バフェットいわく「目を見張るような数字も、最後にゼロをかければゼロになる」…投資で重要なのは「何回勝ったか」ではない理由【株式投資の金言】

人間は失敗をすると、その原因を自分の外側に求めがちです。しかし、そのような姿勢では投資においても同じ失敗を繰り返すことになり、「大負け」を食らうことになるかもしれません。本記事では桑原晃弥氏による著書『株式投資 100の金言』(さくら舎)から一部抜粋し、ユダヤやウォーレン・バフェットの金言を基に、投資に対して取るべき行動と考え方をご紹介します。

「ものごとができない理由は100ほどもある」という言い方があります。人間というのは何かやりたくないなと思うと、「できない理由」を次から次へと考えて、決してやろうとはしないものですが、同様に人間というのは「失敗した理由」も次から次へと見つけ出すようです。ユダヤの格言にこうあります。

「人は転ぶと、まず石のせいにする。石がなければ、坂のせいにする。そして、坂がなければ、履いている靴のせいにする。人はなかなか自分のせいにはしない」

投資というのも100戦100勝はなく、どんな投資家であろうと、人生においては幾度かの失敗をするものです。ましてや経験の浅い個人投資家ともなると、証券会社の薦めるままに買って失敗をしたり、「この辺で売って利益を」と思いながらも、なかなか決断できずにいたらいつの間にか下がってしまったといった失敗をすることになります。

こんな時、「下がる株を売りつけられて失敗した」「周りがまだ上がると言っていたので信じて待っていたら下がってしまった」などと失敗の理由を数え上げるか、それとも「自分の研究が足りなかった」「決断できなかったのは自分に非がある」と失敗の理由を自分に求めるか。

失敗の責任を他に転嫁するのは楽でいいのですが、現実には責任を内側に求めない限り、同じ失敗を繰り返すことになるのです。

「目を見張るような数字も、最後にゼロをかければゼロになる」はウォーレン・バフェットの言葉です。

バフェットとも縁のあったソロモン・ブラザーズ出身のジョン・メリウェザーが立ち上げたヘッジファンドLTCМは、立ち上げと同時に12億ドルを超える資金を集め、3年後には70億ドルにまで増やすことに成功したものの、直後の金融市場の混乱によりほぼすべてを失っています。

メリウェザーはバフェットに助けを求めますが、資本の25倍ものレバレッジを使って運営されてきた企業の実態を知り、「最後にゼロをかければゼロになる」と、決して手を差し伸べることはありませんでした。

これはかなり極端な例ですが、たしかに投資の世界というのは、山崎種二(日本の相場師・実業家)が言うように「10回やって、9回うまくいったとしても、たった1銘柄、たった1回の失敗により、全部の儲けを飛ばしてしまい、逆に足を出すなんていうことも少なくない」世界でもあるのです。

小さな利食いを何度も重ね、ずっと勝ち続けたとしても、1回の暴落、1回の失敗があれば、それまでの利益がすべて吹っ飛んでしまうというのはよくあることです。投資の世界では「何回勝ったか」ではなく、「最終的にどれだけの利益を得たのか」のほうが重要になってくるのです。

桑原晃弥

経済・経営ジャーナリスト