えぇ!? 本当に大学生!? オール理系軍団の芝浦工業大学自動車部が激アツすぎる件

AI要約

芝浦工業大学自動車部の活動内容や特徴、団体戦での実績、自前での資金調達などについて紹介。

部員数や学科、自動車部の基本方針、活動場所などに関する詳細。

10月に行われた全日本学生ジムカーナでの成績や次回への意気込みについて。

えぇ!? 本当に大学生!? オール理系軍団の芝浦工業大学自動車部が激アツすぎる件

 全国の大学で日々活動する自動車部を取材するこの企画。今回は芝浦工業大学の自動車部にお邪魔した。今回は、この企画初のオール理系自動車部、そしてなんと当企画歴代最大の部員数!?では早速、芝浦工業大学自動車部の全貌をご覧いただこう!!

※本稿は2024年8月のものです

文:奥野大志/写真:大石博久

初出:『ベストカー』2024年9月10日号

 自動車部は野球部やラグビー部等と同じ体育会に所属する運動部。多くの大学が全日本学生自動車連盟(学連)主催のジムカーナやダートラなどに出場し、ドライビングテクニックと整備技術を競っています。

 モータースポーツという言葉が一般的になるはるか以前から自動車部は活動しており、100年以上の歴史を誇る自動車部も珍しくありません。

 ●芝浦工業大学自動車部活動内容

 ・正式名称:芝浦工業大学体育会自動車部

・創部:1960年

・部員数:46名(2024年取材時)

・保有車両台数:6台(試合車および練習車)

・活動場所:大宮キャンパス(第3学生クラブハウス棟ガレージ)

 4月から5月にかけての新歓イベントも落ち着き、大学自動車部はオンシーズン!暑い夏本番を迎えても、クルマ好き大学生は元気いっぱいです。

 今回取材した芝浦工業大学は1927年(昭和2年)に設立された東京高等工商学校をルーツとする大学。

 東京都江東区(豊洲)と埼玉県さいたま市(大宮)にキャンパスを構えており、自動車部は大宮キャンパスで活動しています。

 キャンパス入口で受付を行い、近くにあるガレージに向かうとたくさんの競技車両や整備中の個人車が目に入ってきます。

 聞けば、この日は月イチの「定例会」と呼ばれるイベントの日。すでに多くの部員が集まっており、熱気ムンムンです。

 取材に対応していただいたのは3年生の主将、権代稜央さんと2年生の副将、山根琉生さん。権代さんの任期は2025年の3月までで、4月からは山根さんが主将を務めます。

 「定例会とは毎月第一土曜日に全員が大宮に集まり、クルマの整備状況や連絡事項をみんなで共有する会です。毎週水曜日に行われる『部会』と呼ばれる軽い集会もあります」(権代さん)

 あいさつを短く済ませ、部員の集合写真撮影へ。総部員数は当日来られなかった人も含めて46名!これまで取材したどの自動車部よりも大所帯のはず。

 しかも、2024年の春に入部した1年生は17人!部員の確保に苦労している自動車部にとってはうらやましいかぎりです。

 「新入生を勧誘するためにチラシを作って配り、いろいろな大学が集まる新歓イベントに新入生を連れていきました。

 さらに5月に入っても入部を悩んでいる人がいたので、カート大会を開いて1年生同士が仲よくなる機会をつくり、自分たちのことも知ってもらいました。楽しそうと思ってもらえたから、入部してくれたのだと思います」(同)。

 芝工自動車部は現在、学連主催のジムカーナ(全関東/全日本)に絞って活動中。試合車は2台のインテグラタイプR(96と98スペックが1台ずつ)で、次期試合車として、スイフトスポーツも準備中です。

 「みんなで整備してみんなで乗るというのがうちの基本方針。誰かが整備しているだけ、誰かが運転しているだけということにならないように、いつも心がけています。あとは先輩と後輩の仲がよく、言いたいことを言い合える雰囲気も大事にしています」(山根さん)

 5月に行われた全関東ジムカーナの団体戦は18校中7位で、特筆すべきは2023年の全関東ジムカーナの女子団体と個人でのダブル優勝。

 立教大学や慶應義塾大学、中央大学などを破っての優勝であり、強豪校と呼ぶにふさわしい活躍です。

 そんな芝工自動車部の特徴のひとつが、スポンサーを集めず、すべて自前で賄っていること。

 オイルやブレーキパッドなどの消耗品は、協賛で賄っている自動車部も少なくありませんが、芝工自動車部は「自分たちが使う部品は自分たちで決める」という考えの下、協賛はお断りしています。

 「以前、オイルの協賛をいただいたことがあるのですが、自分たちのこだわりが強く、ストップさせていただきました。部費がカツカツになることも多いですが、自腹を切りながらなんとかやっています」(同)

 ちなみに、現在使っているオイルの名前を教えてもらいましたが、自動車メディアに長く籍を置く筆者でも初めて聞く名前でした。推測ですが、これが理系ならではのこだわりなのでしょう。

 実際、部員の多くは工学部の機械工学科と機械機能工学科に在籍している人が大半で、機械いじりが大好きな人が自動車部に集まっているから強いわけです。

 「自分は機械機能工学科に在籍しているのですが、製図の授業でミッションとほぼ同じ構造を描くことがありまして。DC2のミッションを組んでは分解しているので、書きやすい面はありました」(同)

 理系大学で機械好き、クルマ好きの大学生が集まっているのが芝工自動車部の強さの秘訣。

 部員数が多いと経費もかさむので、やりくりが大変とのことですが、毎年3月に選手を選考してからは毎週練習に行き、スキルアップに励んでいます。

 狙うは8月25日(日)に鈴鹿サーキットで行われる全日本学生ジムカーナの団体優勝。芝工自動車部に熱い声援をよろしくお願いします!

 (※結果は4位。目標の優勝には及ばなかったものの、30校以上が参加した中での4位は立派な成績。次回でのリベンジに期待しています!)