最新の会社四季報「秋号」で分析!“進捗率”で読み解く「業績上振れ期待度」50社ランキング、2024年度の滑り出しが計画よりも好調な企業はどこか

AI要約

株式投資をする際は、業績の上振れが重要だ。

進捗率をチェックすることで、上振れ余地がある銘柄を見つけることができる。

営業利益の高進捗率ランキングから具体的な事例を紹介。

最新の会社四季報「秋号」で分析!“進捗率”で読み解く「業績上振れ期待度」50社ランキング、2024年度の滑り出しが計画よりも好調な企業はどこか

 株式投資をする際は、好業績の銘柄や株価にポジティブな材料が期待できそうな銘柄を選ぶのが基本だ。その最たるものが、業績の上振れだろう。

 上場企業は期初や四半期決算ごとに年間の業績見通しを公表する。その予想値を上回りそうな銘柄を先んじて見つけることができれば、実際に業績予想が上方修正された時に株価上昇の恩恵を享受できる。

 1つのヒントになるのが「進捗率」だ。3カ月ごとに発表される四半期決算の実績が、会社の示す通期計画に対してどれくらいの進捗率になっているかを見れば、会社の年間計画に上振れ余地があるかどうかを判断する大きな材料となる。

■過去3年平均の進捗率を大幅に超過

 今回は9月13日発売の『会社四季報』2024年4集(秋号)に掲載した「営業利益 高進捗ランキング」の一部を紹介したい。2025年2・3月期決算企業を対象に、会社の通期営業利益計画に対する第1四半期の営業利益進捗率が過去3期の平均値を超過している順にランキングした。

 なお、ランキング作成に当たっては、四季報予想の年間営業利益が20億円以上であることを条件とし、過去3年の第1四半期に赤字があった会社や決算期を変更した会社は除いた。

 ランキング1位は香料の国内最大手、高砂香料工業。第1四半期の営業利益実績は40.1億円で前年同期比の7.5倍。過去3年間での第1四半期営業利益の平均進捗率は33%だったのに対し、今期は期初の3カ月で早くも会社が掲げる年間の予想営業利益(40億円)分を稼ぎ出した。

 第1四半期は前期からのずれ込み案件もあって、フレグランス部門やアロマ関連部門、さらには医薬中間体などのファインケミカル部門がいずれも大幅な増収を記録し、営業利益が例年よりも膨れ上がった。

 夏以降も世界的に食品向けが順調に増え、高付加価値の欧州香水向けの底入れも見込めそうなため、年間営業利益は会社計画の40億円を大幅に超過することが濃厚。最新の四季報では独自予想を一気に100億円(前期実績は23.1億円)にまで増額している。

 2位は投資事業や教育事業などを手がけるユナイテッド。同社は創業初期段階に投資して保有するメルカリ株を毎期売却して利益計上しており、その売却タイミングで利益が大きく増減する。