鉄板のポルシェ「カレラGT」は1.8億円オーバー! 20年むかしのクルマとは思えない完璧な造形と機能…スーパースポーツにクラシックの価値が加わりつつあります

AI要約

2003年、ポルシェがジュネーブ・ショーで発表した『カレラGT』は、当時最も注目を集めたスーパーカーの1つであった。

ボディデザインやインテリアのフィニッシュにおいて、高い評価を得たカレラGTは、マニアからも絶大な支持を受けている。

ディテールにこだわり抜かれたカレラGTは、ボクスターやカイエンとは一線を画す際立った存在であり、ポルシェの歴史に光を放つ名車である。

鉄板のポルシェ「カレラGT」は1.8億円オーバー! 20年むかしのクルマとは思えない完璧な造形と機能…スーパースポーツにクラシックの価値が加わりつつあります

2024年5月31日~6月1日にRMサザビーズがカナダ・トロントで開催したオークションにおいてポルシェ「カレラGT」が出品されました。2004年から2006年までに1270台が送り出されたうちの初期に出荷された1台でした。

ポルシェがスタディモデルの発表から2年以上の時を経て、プロダクションモデルの「カレラGT」を正式に発表したのは、2003年のジュネーブ・ショーでのことだった。ランボルギーニの「ガヤルド」を始め、さまざまなニューモデルのデビューで湧いたこの年のジュネーブ・ショーは、現在でもスーパーカーのファンにとっては強い記憶となって残るショーだが、その中でもカレラGTは最も大きなインパクトを残したモデルだったともいえる。

当時ポルシェは、「911」、「ボクスター」、「カイエン」という3モデル体制での生産を行っていたが、カレラGTはそれらとはまったく次元の異なるスーパーカー、現代的な表現をするのならばハイパーカーだった。ボディデザインは当時、卓越したエアロダイナミクスと先進的なデザイン感覚で高い評価を得たが、その印象は現在でもまったく変わることはない。

同時にフロントマスクに精悍なイメージを与えるヘッドランプやフロントフェンダーには、過去のコンペティションモデル、「917」や「718 RSR」にモチーフを得たとされる、いかにも趣味性の強い、表現を変えるのならばマニアの心を捉えることを知り尽くしたかのようなディテールが与えられているのも特徴のひとつだ。

インテリアのフィニッシュもまた魅力的だ。レザー、カーボン、マグネシウムなどの素材を使い分け、キャビンはフロアからインパネの高さまで連続するセンターコンソールによって、完全に左右に分割されている。シフトノブはケヤキとアッシュを何層にもサンドイッチしたのち、球形に成型したもの。これもまた軽量化のため、917がバルサ材のシフトノブを採用していたことに由来するものだ。