iPhone 16、「値段据え置き」でも“買わない”理由。来春の「廉価モデル」まで待つべきか

AI要約

Appleが新製品発表を行い、Apple Watch、AirPods、iPhone 16シリーズが登場した。Apple Watchは第10世代で健康管理機能が強化され、AirPodsは難聴対策が可能となった。iPhone 16シリーズではAI機能が導入され、プライバシー保護にも注力している。

新製品には技術革新が盛り込まれ、特にAI機能の拡張が大きな注目を集めている。Apple Intelligenceの導入やVisual Intelligenceの機能強化により、ユーザーエクスペリエンスが向上した。

ただし、AI機能の日本語対応が2025年まで待たねばならず、一部の機能は英語話者に限定される。これにより、iPhone 16の購入時における満足度が半減する可能性もある。

iPhone 16、「値段据え置き」でも“買わない”理由。来春の「廉価モデル」まで待つべきか

 日本時間の9月10日午前2時、Appleの新製品発表がストリーミング配信された。発表された製品は、腕時計型ウェアラブル・デバイスの「Apple Watch」シリーズ、無線イヤホンの「AirPods」シリーズ、そして「iPhone 16」シリーズの3系列だ。

 今回は需要の大きなiPhone 16シリーズを中心に、Appleの新しいプロダクトをチェックしていきたい。

 ティム・クックCEOの肝いりで市場投入された腕時計「Apple Watch」は、いよいよ第10世代(「Series 10」)に突入し、ディスプレイの面積が約30%も大きくなった。日常のフィットネスに役立ったり、心室細動の患者を救命したりと、健康維持の相棒だと大いにアピールしている。

 人気の無線イヤホン「AirPods」もリニューアル。検査で耳の衰えを記録し、難聴への対策ができるようになった。Appleといえば、かつては「iPodが難聴を引き起こす」という訴訟を受けたこともあったが、昨今のヘルスケア路線はクックCEOのカラーといっていいだろう。

 テクノロジーによる障害の克服も、現代社会の目指すところである。難聴の人が最新の「AirPods Pro 2」を付けると、相手の言葉がはっきりと、十分な音で聞き取れるようになるらしい。

 視力と並んで聴力も、加齢とともに衰えていく。近い将来AirPodsは、メガネと同じような位置付けのデバイスになるのかもしれない。

 市場の想定通り、Appleは今秋にiPhone 16シリーズを発売。ラインナップは「iPhone 16」「iPhone 16 Plus」「iPhone 16 Pro」「iPhone 16 Pro Max」の4モデルで、持ちやすい「mini」は今回も復活できなかった。

 カメラボタンの新設など多くの新要素がある中で、一番の目玉は「Apple Intelligence」である。これは略せば「AI」となるが、いま一般に言われている「AI(人工知能)」と概ね同じものだと考えて差し支えない。

 下書き状態のレポートをAIに書き直させたり、AIに作らせたオリジナルの絵文字をメッセージで送信したりといったことが可能になるほか、勤続13年のバーチャル・アシスタント「Siri」も、さながら現実の秘書のように賢くなるのだという。

 カメラを向けるだけであらゆる調べ物が可能な「Visual Intelligence」も導入される。昨今盛んにテレビCMが打たれている「Googleレンズ」と同種の機能だが、Appleは「AI用のサーバーに個人情報を保存しない」と宣言し、プライバシー保護によって差別化を図っている。

 ただし、主要なAI新機能をいち早く利用できるのは英語話者だけで、Apple Intelligenceの日本語対応は2025年になるとアナウンスされた。英語版もベータテストの段階なので仕方ないのだが、正直に言って、iPhone 16を発売日に買う喜びは半減だ。