中国、年間12億トン超の炭鉱開発計画、温室ガス大幅増の恐れ

AI要約

中国が新たな炭鉱開発を計画しており、世界中の新規炭鉱の半分以上を占める生産能力が報告された。

計画中の炭鉱はメタン排出を増加させる恐れがあると指摘され、中国の既存大規模炭鉱に影響が出る可能性がある。

中国は石炭生産を優先政策として位置づけており、長期契約制度を採用していることが明らかになった。

中国、年間12億トン超の炭鉱開発計画、温室ガス大幅増の恐れ

[北京 10日 ロイター] - 中国が開発を計画している新たな炭鉱は、4月現在で生産能力にして年間12億8000万トン相当と、世界中で計画されている新炭鉱の半分以上を占めることが、米グローバル・エネルギー・モニター(GEM)が10日公表した調査報告書で明らかになった。温室効果ガスであるメタンの大幅な排出増加をもたらす恐れがある。

報告書によると、中国が計画している炭鉱には年間生産量100万トン以上の大規模炭鉱が複数含まれている。計画の35%(生産量ベース)は既に建設が始まっているため、3─5年以内に生産が大幅に拡大する見通しだ。

中国の既存炭鉱は、世界全体の同規模炭鉱によるメタン排出の70%を占めている。計画中のプロジェクトが全て完了すると、この割合が75%に増える見通しだという。

中国の既存大規模炭鉱の生産能力は年間38億8000万トンで、世界全体の約半分を占める。

GEMのプロジェクトマネジャー、ドロシー・メイ氏は「石炭生産能力の拡大は現在、国家(中国)の優先政策であり、政治課題だ」と指摘。中国は長期契約制度を採っているため、炭鉱企業の収益性が保証されていると説明した。