「東大より格上だった!」…日本軍「エリート海軍士官養成機関」の”教本復刊”で話題騒然、その「すごすぎる中身」を明かす!

AI要約

広島・江田島の海軍兵学校は、世界三大兵学校と称され、約1万人以上のエリート士官を育成した世界最高の教育機関だった。

潮書房光人新社が刊行した『海軍兵学校生徒心得』が注目されており、海軍兵学校での規則や心得が再構成されている。

海軍兵学校では名誉を重んじ、出来事や気象を記録し、豊富な知識を吸収する機会を提供していた。

「東大より格上だった!」…日本軍「エリート海軍士官養成機関」の”教本復刊”で話題騒然、その「すごすぎる中身」を明かす!

米国のアナポリス、英国のダートマスと並ぶ世界三大兵学校と称された広島・江田島の海軍兵学校。明治から太平洋戦争の敗戦まで、1万人以上のエリート士官を育成した“世界最高の教育機関”として知られる。「兵学校を落ちた者が一高(東大)に行く」ともいわれたゆえんだ。

そんな海軍兵学校について、注目の書が刊行されて話題となっている。老舗軍事雑誌「丸」の版元、潮書房光人新社が今春から刊行している「復刻版日本軍教本シリーズ」の一つとして『海軍兵学校生徒心得』がそれで、“知る人ぞ知る書”がまさか復刊されたとあって軍事ファンのみならず教育関係者の間で話題を呼んでいる形だ。

では、いったいそんなエリート養成機関の「心得書」には何が書かれていたのか――「シーマンシップ涵養の必携ハンドブック」(元統合幕僚長・河野克俊氏)と言われる本書から、貴重な海軍兵学校での“知られざる規則や心得”を一部抜粋・再構成してお届けする。

エリート養成機関である海軍兵学校を支える精神的基盤は名誉だ。

《分隊名簿は分隊の名誉を記録し分隊の歷史を後世に残すことを目的とする。競技褒賞規定により、優勝旗(刀)を授与せられたる時(短艇遠距離競技優勝を含む)はこれを分隊名簿に記録す》

その記録簿には日々の出来事のみならず、時間ごとに変わりゆく気象まで精緻に記す。気象に習熟するための訓練の一環だ。

《気象の観測は〇七三〇、一二三〇、一八〇〇の三回とし、当日不在にして観測を欠きたる時は其の部に斜線を画すべし》

授業の間も、生徒たちは雑誌などから貪欲に知識を吸収した。

図書雑誌の閲読は許可制だが、「相撲界」など特別指定したものは指定場所で閲覧できた。

相撲力士は生徒の間で人気があり、相撲自体も体力増強に向けた教育の一つだった。

《閲読を許可せられざる書籍は分隊監事の許可を受け処分すべし》

《日刊雑誌等にして別に指定するものは所定場所において閲読することを得(昭和十五年通達第四四一号)海軍雜誌(「海と空」「海行かば」「有終」「水交社記事」)、時局雜誌(「写真週報」「週報」)、科学雑誌(「科学書報」「科学知識」)、通俗雜誌(「富士」「日ノ出」「現代」「大洋」「朝日グラフ」「相撲界」)、その他「軍事と技術」》

持ち込みの薬品は許可制。「わかもと」はOKだった。

《私有薬品は左記のみ所持を許可し寝室衣服箱内に格納すべし 「わかもと」「エビオス」 「胚芽」》

所持金の取り扱いも厳しかった。

《校内に在りては三円以上の金銭を所持すべからず 規定外の金額は生徒預金取扱規程に依り処理すべし》