全長5mの新世代フラッグシップ電動SUV ボルボ新型「EX90」はなぜコーナリングが得意? “上質な乗り心地”と“走りの良さ”を両立できる理由とは

AI要約

ボルボの最新EV、「EX90」は2030年までにEV専業メーカーとなるための第2弾モデルで、よりEVに最適化されたプラットフォームを採用している。

エクステリアはシックで落ち着いたデザインで、インテリアはオシャレで質感が高く、サステイナブル素材を幅広く使用している。

新型EX90は高いクォリティ感を実現しつつ、サステイナブル素材を用いたインテリアを提供しており、乗る人に満足感や喜びを与える。

全長5mの新世代フラッグシップ電動SUV ボルボ新型「EX90」はなぜコーナリングが得意? “上質な乗り心地”と“走りの良さ”を両立できる理由とは

 ボルボの最新EV、「EX90」にアメリカ・ロサンジェルス郊外で試乗してきました。

 2030年までにEV専業メーカーとなることを目指しているボルボにとって、新型EX90は「EX30」に続く「EV専用アーキテクチャー・モデル」の第2弾。

 すでにラインナップされている「C40」や「XC40」は、エンジン車と共通のアーキテクチャーをベースにEV化していたので、EX30やEX90はよりEVに最適化したモデルといえるでしょう。

 そのプラットフォームは、現行モデルの「XC90」などに用いられているSPAの進化版とされますが、技術者たちに話を聞くと「まるで別モノ」との答えが返ってきました。

 たしかに、フロア下に111kWhの大容量リチウムイオン・バッテリーを搭載したり、前後に高出力モーターを装備したりするには、プラットフォームの大改造が必要になるのは明らか。新型EX90では、前後のサブフレームをより強固な構造で作り直すとともに、2チャンバー式エアサスペンション、後述するデュアルクラッチ式トルクベクタリング・システムなどの新技術を採用しているので、新しいプラットフォームと称しても間違いではないような気がします。

 エクステリアは、EX30と共通のデザイン言語を用いながら、よりシックで落ち着いた意匠にまとめられています。

 この辺は、新型EX90が新世代のフラッグシップモデルであることを表現したものといえるでしょう。

 そのエクステリアにも負けないくらい魅力的なのがインテリア・デザインです。

 2016年デビューのXC90を皮切りに、ボルボは新世代モデルを次々と投入してきました。

 それらは、元チーフデザイナーのトーマス・インゲンラート氏がデザインしたもので、エクステリアはシンプルでありながらクォリティ感の高さと力強さが伝わってくるいっぽう、インテリアは上品かつ明るく開放感に満ちていて、現行ラインナップが商業的に成功する大きな礎になったと個人的には捉えています。

 新型EX90のインテリア・デザインはその延長線上にあるもので、全体的には北欧家具を思わせるシンプルな造形なのに、とてもオシャレで質感が高く、乗る人に深い満足感と喜びを与えてくれるような気がします。とりわけ、その明るい色調は、ブラック中心のドイツ車とは大きく異なるもので、とても魅力的です。

 また、ボルボは内外装に天然由来やリサイクル可能なサステイナブル素材を積極的に用いていることでも知られており、新型EX90のインテリアにもそうしたサステイナブル素材が幅広く採用されています。

 しかも、最新でフラッグシップモデルの新型EX90では、品質感の確保が難しいサステイナブル素材を用いながら高いクォリティ感を実現したことにも驚かされました。これだったら、サステイナブル素材を用いたインテリアを積極的に選びたくなるのではないでしょうか。