〔東京外為〕ドル、143円台後半=弱めの米雇用指標で下落(5日午後5時)

AI要約
5日の東京外国為替市場でのドルの対円相場は、前日の米雇用指標の影響で大幅ドル安・円高となった。ドル円は一時143円近くまで下落したが、午後には持ち直して143円70銭台まで戻した。米国時間の急落や日本の経済指標の影響でドル円は一進一退の動きを見せた。市場では将来の地合い不安から具体的な方向性が乏しい状況が続いている。ユーロ対円は持ち直し、対ドルはもみ合い状態。8月のISM米サービス業PMIや他の経済指標の発表が注目されている。

 5日の東京外国為替市場のドルの対円相場(出来高)は、前日の米雇用指標が弱めとなったことで売られ、1ドル=143円台後半に水準を切り下げた。午後に日経平均株価の下落で一時143円近くまで下げる場面もあった。午後5時現在は、143円60~60銭と前日(午後5時、144円99~145円00銭)比1円39銭の大幅ドル安・円高。

 ドル円は早朝、前日の海外市場で急落した流れから143円台半ばで推移した。午前9時前に143円10銭台に値下がりした後は実需筋の買いも入り、仲値にかけては143円80銭前後に浮上。正午前後も同水準を維持した。午後は日経平均の下落に圧迫され、一時143円付近まで売り込まれたが、終盤は143円70銭台まで持ち直した。

 前日の海外市場では、米国時間に急落。米雇用動態調査(JOLTS)が弱めとなったことでFRBの大幅利下げ観測が台頭し、ドル円は144円00銭近辺まで売られた。その後も軟調で、終盤には143円70銭付近に水準を落とした

 東京時間は、早朝に発表された毎月勤労統計が強めとなり、「日銀の追加利上げへの思惑が圧迫要因になった」(FX業者)という。もっとも、売り一巡後は「実需筋の買いが入ったとみられ、いったん持ち直した」(大手邦銀)とされる。午後は「日経平均の下落でドル円は下値模索になった」(為替ブローカー)が、売り一巡後は買い戻された。

 目先は、日本時間今夜のADP全米雇用報告や米週間新規失業保険申請件数、8月のISM米サービス業PMIが注目される。市場では「地合いが不安定なため、弱い数字だとドル円は売られやすい」(同)との声が聞かれた。

 ユーロも終盤、対円は持ち直している。対ドルはもみ合い。午後5時現在、1ユーロ=159円21~23銭(前日午後5時、160円29~31銭)、対ドルでは1.1087~1087ドル(同1.1054~1056ドル)。