ウーバーイーツ配達員 “あまり見なくなった?”「やってられるか案件」増加で店側も困惑 一体なぜなのか

AI要約

Uber Eatsの配達員が減少し、報酬が激減していることから人手不足が深刻化している。

マッチング率低下による問題から、配達員や加盟店が困難な状況に直面している。

報酬減少によって配達員のプレッシャーが増し、クオリティの低下やトラブルが相次いでいる。

ウーバーイーツ配達員 “あまり見なくなった?”「やってられるか案件」増加で店側も困惑 一体なぜなのか

 以前の記事で、フードデリバリー業界の最大手「Uber Eats」の配達員が減少し、人手不足によって「料理が届かない」「配達までに時間がかかる」という事態が発生していることをお伝えしました。

 なぜ、そのような事態に陥ったのかというと、主な原因とみなされているのが、配達員に支払われる報酬の改定です。これは、配達に費やす予定の時間と距離、配達先の数、注文数のほか、同じ時間帯で稼働している配達員の頭数などに基づいて報酬を決定するコンピューターによる計算方法、いわゆる「報酬アルゴリズム」が見直されたからです。

 これにより配達員の報酬が激減。その結果、他社へ移籍する人やフードデリバリーの仕事を辞める人が続出しているといいます。

 2024年9月現在もこの状況は改善されていません。配達員の稼働が少なくなる雨の日でも300~400円代の報酬の依頼が次々入ってくるそうで、「雨クエスト」や「日跨ぎクエスト」と呼ばれるインセンティブも以前に比べて引き下げられているとか。こうしたことから配達員の「Uber Eats」離れは進み、改善どころか、ますます悪化している模様です。

 実際に、筆者(山崎 龍:乗り物系ライター)がマクドナルドで働くクルーにハナシを聞いたところ、注文を受けてから作り始めるため、廃棄ロスこそ発生していないそうですが、やはりマッチング率の低下には頭を痛めていると述べていました。

 マクドナルドの場合、自社配送の「マックデリバリー」がありますが、その仕事を「Uber Eats」に業務委託する場合、マッチング率低下による顧客からのクレームは、日本マクドナルドに直接入ることになります。こうしたことから「Uber Eats」のマッチング率低下を問題視した日本マクドナルドでは、「Uber Eats」に対して事態の改善を求めたというハナシが漏れ伝わってきています。事実、それを裏付けるように都市部を中心にマクドナルドの配達単価は短距離でも500~600円代へと改善されたとか。

 とはいえ、中小零細の加盟店では「Uber Eats」に改善を要求しても無視されることが多く、相変わらずマッチングが成立しないため、せっかく作った料理を破棄するという事態が多発しており、自衛手段としてマッチングが成立してから料理を作り始める店舗が増えています。

 しかし、これが配達員のさらなる負担となっている模様です。配達員が店舗に到着しても調理中のため、長いときには10分以上も待たされることになり、時間あたりの報酬減へとつながるわけです。その結果、こうした依頼が重なると時給換算で1000円を割り込むようになります。

 悪条件のもとで配達員が以前のような報酬を得ようとすれば、1時間あたりの配達件数を増やすしかなく、そうなると無理をせざるを得ません。その結果、当然のように配達クオリティが下がることになります。8月25日にX(旧Twitter)で話題になった、蓋が外れてあふれたカレーが置き配で届けられたケースなどは、まさしく氷山の一角でしょう。