サーキット発の「スイーツ」はなぜネットでバズったのか? 5年間で15万個売れた実績、その理由とは

AI要約

ホンダモビリティランドが鈴鹿サーキットで販売するユニークなスイーツの商品開発の変遷が注目されている。

最初のきっかけとなった「タイヤカスさきいか」から始まり、様々なサーキットを彷彿とさせる商品が登場している。

現在も新商品の開発が進められ、モータースポーツのマニアックな要素と面白さを追求している。

サーキット発の「スイーツ」はなぜネットでバズったのか? 5年間で15万個売れた実績、その理由とは

 近年、サーキットで販売されているスイーツがネット上で話題になり、テレビメディアでも取り上げられている。特に注目されているのは、ホンダの100%子会社であるホンダモビリティランド(三重県鈴鹿市)が運営する鈴鹿サーキット(同)だ。今回は、その商品開発の変遷を振り返る。最初のきっかけとなった商品は「タイヤカスさきいか」だ。

 この商品は、レース中に摩耗したタイヤから出るちぎれたカス「タイヤカス」を模したイカスミ味の黒いさきいかで、販売から5年間で15万個も売れる人気商品となった。見た目は食品とは思えないほどだが、味はおいしいと評判だ。2018年には、購入者がX(旧ツイッター)に投稿したことで話題になり、元TOKIOの長瀬智也さんのインスタグラム投稿も人気を後押しした。

 ホンダモビリティランドによると、タイヤカスさきいかの開発には、鈴鹿サーキットの思い出を家に持ち帰ってもらい、その話題から再びレースを観戦しに行く気持ちを高めることを目指している。さきいかは、コース上に散らばるタイヤカスに似ていることから、さきいかを黒く着色し、調味料を使って地面の砂を再現するなど、リアリティーを追求した結果生まれた。

 さきいかの人気を受けて、レーシングコースにあるものを忠実に再現した「アスファルトシリーズ」が登場した。「SUZUKAアスファルトラスク」は、ラスクを竹炭で真っ黒にし、砂糖をまぶした後、特殊舗装で白い石が多く含まれるレーシングコースのアスファルトを細部までリアルに表現している。このアスファルトシリーズは、真っ黒なパッケージとインパクトのある名前が目を引き、人気の商品となった。

 ホンダモビリティランドはさらに、お菓子を楽しんだ後も、パッケージを部屋のインテリアとして飾り、鈴鹿サーキットの思い出を身近に感じてもらえる商品も開発した。

 特にタイヤはサーキットの象徴としてこだわっており、タイヤの形をした缶に入ったマーブルクッキー「スズカサーキットタイヤケースクッキー」や、同じくタイヤ型の缶に、弾力のある黒い饅頭が入った「鈴鹿タイヤ饅頭」を開発した。

 また、「22トランスポータークッキー」は、子どもが食べた後に遊べるパッケージを考案したもので、通常のレーシングカー型ではなく、レーシングカーの運搬用トラックのトランスポーターの形をしている。これにより、子どもたちは家にあるミニカーと一緒に遊ぶことができる。特に“働く車”が好きな子どもたちには、サーキットならではの楽しいアイデアだ。

 ホンダモビリティランドでは、2003(平成15)年からインパクトのあるユニークなお土産の企画を始め、実際の販売は2013年のF1日本GPからスタートした。開発にあたっては、

・モータースポーツのマニアックな要素

・クスッと笑ってしまうような面白いアイデア

を大切にしている。現在は、タイヤカスさきいかを超えるリアリティーと面白さを追求した新商品が検討されている。