巻き返しを狙うフォルクスワーゲンが2025年に導入するニューモデルに注目

AI要約

VWは長い間日本市場で最もポピュラーな輸入車ブランドであり、様々なモデルを展開し、絶大な支持を受けていた。

しかし2015年、メルセデス・ベンツがVWを抜いてトップの座に立ち、多彩なモデル導入が成功の理由とされた。

VWはモデルラインナップの強化と新世代車種の導入を進め、トップブランドの座を奪還するための戦略を考えている。

巻き返しを狙うフォルクスワーゲンが2025年に導入するニューモデルに注目

日本市場で最もポピュラーな輸入車ブランドといえば、それは昔からフォルクスワーゲン(VW)というのが定説だった。実用性やコストパフォーマンスはもちろんのこと、販売ネットワークが強化された結果、VW車はカスタマーから絶大な支持を得て、モデルラインナップも徐々に拡大していった。VWは間違いなく一時代を築いた、日本の輸入車市場におけるトップブランドだった。

だが2015年、新車として販売された海外メーカーの乗用車登録ランキングに大きな変化があった。5万4766台を販売したVWに対して、新たにその数字を超えトップの座に君臨したのはメルセデス・ベンツだった。メルセデスの同年販売台数は6万5162台と、前年、すなわち2014年の6万0839台から躍進。VWから首位の座を奪った。

メルセデスが躍進した大きな理由は、日本仕様として導入されるモデルがより多彩なものになったことにあるだろう。特にコンパクトで使い勝手も良く、コストパフォーマンスに優れる「Aクラス」や「Bクラス」、同じプラットフォームを用いる「CLA」やSUVの「GLA」は日本においても高い人気を得た。導入のためのコストはかかるものの、豊富な車種バリエーションもまた、ライバルブランドに対するアドバンテージとなることが証明されたのである。

ならば日本で輸入車トップブランドの座を失ったVWは、いかにしてその座への返り咲きを目指そうというのか。それはやはりモデルラインナップの強化にあろう。加えて早期に新世代のモデルに置き換えることも重視されるはずだ。ちなみに現在のラインナップを見ると、コアモデルと位置づけられる「ゴルフ/ゴルフヴァリアント」が2021年の導入開始であることを除けば、「ポロ」は2018年に現行モデルが誕生。「パサート/パサートヴァリアント」は2015年、「アルテオン」は2017年、「Tクロス」は2019年、「Tロック」は2020年、「ティグアン」は2017年、「ゴルフトゥーラン」は2016年、そして電気自動車「ID.4」に至っても、そろそろデビューから2年という時間が経過しようとしているのだ。モデルレンジの旧態化は客観的に見ても、VWの販売に影響を与えている。