焚き火台の歴史が変りそう!? 沼津の「シン・町工場系ブランド」が生み出した“IRORI”は脅威の薄さと耐荷重性にこだわりアリ!【Behind the Product #14】

AI要約

静岡県沼津にあるASOBU代表の宮内保昌さんが、自然や仕事における"遊び"の重要性について語る。

ASOBUの焚き火台"IRORI"シリーズは、燃焼効率や折りたたみ時の薄さ、排熱性に優れ、耐荷重も高い。

「IRORI」は災害時にも活用できる機能を持ち、寸胴鍋で料理を作ることが可能。

焚き火台の歴史が変りそう!? 沼津の「シン・町工場系ブランド」が生み出した“IRORI”は脅威の薄さと耐荷重性にこだわりアリ!【Behind the Product #14】

「物心ついた頃から、工場にある針金や金属板の端材で自分のおもちゃを作っていました」

 そう話すのは、静岡県沼津にあるアウトドアギアブランド「ASOBU(あそぶ)」代表の宮内保昌さん。

 ASOBUは、1944(昭和19)年に創業した鉄や銅を加工する老舗部品メーカー・宮内製作所が2020年より展開するアウトドアギアブランドです。

「日本人にはもっと“遊び”が必要ですよね」という宮内さん。「自然のなかを散歩したり焚き火をしたりするだけでなく、仕事だって工夫という“遊び”が大切だと思うんです」というのがその理由なのだそう。

 ASOBUの名を一躍有名にしたのが、ステンレススチールの薄板を切り抜き組み合わせた丹精なシルエットが印象的な焚き火台の「IRORI」シリーズ。

 今回は、早くも“焚き火台のニュースタンダード”の呼び声も高い「IRORI」シリーズについて話しを聞きました。

VAGUE:焚き火の祭典「焚火クラブ」で「IRORI」を初体験しましたが、高い燃焼効率や使い勝手に優美なシルエットを融合するだけでなく、最小で1cm以下の薄さに折り畳めてしまう構造の緻密さに驚かされました。

宮内保昌さん:あのときは「IRORI-201」のほか、最小サイズの「IRORI-101」と最大サイズの「IRORI-301」と、シリーズの全モデルで実際に薪を燃やして体験してもらいました。

VAGUE:それぞれのモデルの特徴を教えて下さい。

宮内さん:A4のノートサイズにたためる「IRORI-201」は2~3人くらいのキャンプに最適なスタンダードサイズ。A5サイズに折り畳める最小の「IRORI-101」は登山やソロキャンプに。A3サイズの「IRORI-301」はグループキャンプはもちろん、薪を組合せてキャンプファイヤーも楽しむことができます。

VAGUE:小さいモデルから順に本体の折りたたみ時の厚さが6mm、10mm、15mmと超薄型。それでいてデザインや機能性にも一切妥協していないので、初めて見たときはかなり驚きました。

宮内さん:特殊な形状のステンレススチール板を3枚組み合わせた火床は、上昇気流を発生させることで高い燃焼効率を可能にしています。炭まで燃やし尽くすため、灰が少ししか残らないのも特徴です。

VAGUE:アメリカ製のウッドストーブを愛用していましたが、機能やシルエットはいいものの、熱がこもって地面には優しくない。ですから、IRORIの下方向への放熱が少ないことにも惹かれました。

宮内さん:日本は芝生サイトも多いですし、シートをひいても地面に影響を与えてしまいがちです。ですからIRORIでは風通しをよくして熱を一箇所にとどまらせないことで、机の上でも焚き火ができるほどの排熱性を達成しています。

VAGUE:見逃せないのが耐荷重の高さ。「IRORI-101」で本体の限界耐荷重が静止時で25kg、「IRORI-201」が40kg、最大サイズの「IRORI-301」ではなんと70kgとなっています。

宮内さん:耐荷重にこだわったのは、災害時に使えるようにしたかったからなんです。ガスが復旧していない災害直後でも、焚き火台があれば寸胴鍋で料理をたくさん作って温かい食べ物を炊き出すことができますからね。