トキエア、3号機の写真紹介 ATR42新造機
トキエアは、ATR42-600の新造機3号機を受領する見通しであり、中部空港への就航を目指していることが明らかになった。
4号機では、短距離離着陸型ATR42-600Sの導入を計画しており、2025年の就航を目指している。
しかし、運営や予定訓練の延期、補助金の問題などが発生し、計画通りに進むか不透明な状況にある。
トキエア（TOK/BV）は8月26日、早ければ9月に受領する見通しの3号機について、仏トゥールーズで撮影された写真を同社のX（旧Twitter）アカウントで紹介した。受領時期は言及していない。
3号機は、仏ATR製ATR42-600の新造機（メーカー標準1クラス48席、MSN1618、テストレジF-WWLN、予定登録記号JA03QQ）。現在はATR72-600型機（1クラス72席）を2機運航しており、3機体制で中部空港（セントレア）への就航を目指す。国土交通省航空局（JCAB）へは、今年4月に登録記号「JA03QQ」が予約登録された。
3号機は中部や神戸への就航実現後、佐渡就航や需要に合った機材運航を視野に小型のATR42-600とし、4号機は現在開発中で短い滑走路でも離着陸できるSTOL（短距離離着陸）型「ATR42-600S」の導入を計画している。
ATRでは、ATR42-600Sの就航時期を2025年としており、トキエアは開発が遅れる場合は4号機も通常型のATR42を導入できるよう、ATRと調整している。STOL型は乗客40人を乗せて最短800メートルの滑走路を離着陸できる設計で、滑走路長が890メートルの佐渡空港にも乗り入れられることをうたっている。
一方、トキエアは8月11日に予定していた中部空港での実機訓練を、前日10日に乗員繰りの影響を理由として急遽延期。20日には、トキエアの運営を支援する関連会社TOKI Aviation Capital（トキ・アビエーション・キャピタル、トキAC）が、佐渡市の雇用機会拡充事業補助金を不適切に受給していた疑いがあると報じられ、法令に基づいて対応していると否定している。
トキエアは当初2022年に就航する計画だったが、規程類の見直しなどで延期が繰り返され、約2年遅れで今年1月31日に1路線目の新潟－札幌（丘珠）線を開設。関係者からは、就航前から経営体制などを疑問視する指摘があり、3号機の受領や中部就航に向けた訓練などを今後計画通り実施できるかが焦点になる。
