U-NEXT「サッカープレミアリーグ独占配信」の成算 放映権料が高騰するスポーツ領域で勝ち抜けるか

AI要約

有料動画配信サービスのU-NEXTは、イングランド・プレミアリーグとの7年間のパートナーシップ基本契約を締結し、全試合の独占配信を始めた。

U-NEXTが新プラン「U-NEXTサッカーパック」を導入し、高画質な配信や周辺コンテンツの拡充を予定している。

U-NEXTは昨年からスポーツ領域を強化し、スポーツ分野が会員数500万人達成に向けて重要な要素であると説明している。

U-NEXT「サッカープレミアリーグ独占配信」の成算 放映権料が高騰するスポーツ領域で勝ち抜けるか

 日本時間の8月17日に幕を開けたプロサッカー、イングランド・プレミアリーグの2024~2025シーズン。有料動画配信サービスのU-NEXTはこのほど、プレミアリーグと7年間のパートナーシップ基本契約を締結し、今回の開幕戦から全試合の独占配信を始めた。

 U-NEXTの堤天心社長は「プレミアリーグは世界トップクラスのスポーツIP(知的財産)。これを日本で独占的にお届けできるのは、プラットフォーム自体のステージアップ、ブランドアップにつながる。キラーコンテンツになるのは間違いない」と期待を寄せる。

 国内では昨シーズンまで、韓国系の動画配信サービスであるSPOTV NOWと、サイバーエージェント子会社が運営するABEMAが配信していた。U-NEXTでも、SPOTV NOWの配信番組を見られるプランを追加契約することで視聴できたが、同パックは6月に終了した。

 8月9日からは、サッカーコンテンツに特化した新プラン「U-NEXTサッカーパック」(月額2600円)を投入。今後は一部の試合を「4K、HDR、50fps」の高画質で配信するほか、リーグやクラブと連携し、選手へのインタビューなど周辺コンテンツも拡充していく。

■2年前からスポーツ領域を強化

 これまでU-NEXTは、映画、アニメ、海外ドラマを中心とした作品のラインナップ数で他社のサービスと差別化し、会員数を伸ばしてきた。国内の動画配信市場におけるシェアは2位で、首位のネットフリックスを猛追している。

 2023年には競合の「Paravi(パラビ)」の運営会社を買収してサービスを統合するなど、拡大路線を進めている。有料会員数は2024年5月末時点で430万人以上にのぼる。

そうした中、2年ほど前から強化していたのがスポーツのライブ配信だ。U-NEXTが豊富にそろえる映画などは、そのコンテンツをきっかけに加入するユーザー数の予測が難しい。一方のスポーツは、一定のコアファンの加入を見込めるうえ、視聴や継続課金に対するモチベーションが高い傾向にあり、顧客1人当たりの売り上げを上げやすい。

 「毎週試合が行われるリーグ戦は、サブスクのビジネスモデルとの親和性が高い。会員数500万人を目指すうえで、スポーツ分野は重要な伸びしろだ」。堤社長はそう強調する。