スタートアップエコシステム「国」ランキング、断トツ米国と「残念すぎる」日本の現実

AI要約

米国がスタートアップエコシステムランキングでダントツの1位を獲得し、AI企業が集中するサンフランシスコが圧倒的な強さを示す。

2024年のグローバルスタートアップエコシステムは依然として厳しい状況で、スタートアップへの資金供給が減少傾向にある。

一方で、AIスタートアップへの投資は好調であり、資金調達額は増加傾向にある。

スタートアップエコシステム「国」ランキング、断トツ米国と「残念すぎる」日本の現実

 日本でも国を挙げたスタートアップ支援に取り組んでいるが実態はどうなのか。最新の調査「Global Startup Ecosystem Index」によると、2024年のスタートアップエコシステムランキングでは、米国がダントツで、その強さが再確認される結果となった。特に今年のランキングでは、AIの影響が大きく反映されており、多数のトップAI企業を擁するサンフランシスコは圧倒的な強さをみせた。このランキングにおける日本の評価はどうだったのか。さらに、こうした調査では米国とばかり比較しがちだが、同ランキングで2位以降のイギリスやイスラエルらの強みとは何なのか。

 スタートアップエコシステムに関するランキングは多数存在するが、その中でも最も包括的なランキングの1つと言えるのが、StartupBlinkの「Global Startup Ecosystem Index」だろう。

 100カ国・1000都市におけるスタートアップエコシステムをさまざまな観点から評価・ランク付けしたもので、2017年から毎年更新されている。インデックスは、数十万に上るデータポイントと数十のパラメータを有するアルゴリズムによって計算されている。

 同レポートによると、2024年のグローバルスタートアップエコシステムは依然として厳しい状況にある。2024年第1四半期のグローバルスタートアップ資金調達は、2018年初頭以来2番目に低い水準を記録。これは2021年のスタートアップバリュエーションバブルの調整が現在も続いていることを示している。

 インフレはある程度抑制されているものの、依然として高水準にあり、金利も高止まっている。この状況下、スタートアップへの資金供給は継続的に減少しており、いわゆる「資金調達の冬」は終わる気配を見せていない。このため、スタートアップは成長よりも収益性を重視せざるを得なくなっており、資金調達が困難になる中、多くの起業家がブートストラップ(自己資金)での起業を選択しているという。

 一方で、AIスタートアップへの投資は好調を維持している。AIスタートアップは2023年に約500億ドルの資金を調達し、分野別では資金調達額トップとなった。2024年第1四半期も、AIへの資金調達は前期比4%増加、5四半期連続で100億ドルを超えた。