UBS、クレディS継承の不動産ファンド閉鎖へ-オフィス物件不振で

AI要約

スイスのUBSグループが商業用不動産市場の低迷を受け、主力不動産ファンドの清算を決定した。

清算されるファンドは19億スイス・フラン規模で、主にオフィス用不動産に投資しており、米国とドイツの資産が多かった。

不動産ファンドの閉鎖が広がる中、資金の返還に追われた場合、ポートフォリオが毀損される懸念が広がっている。

UBS、クレディS継承の不動産ファンド閉鎖へ-オフィス物件不振で

(ブルームバーグ): スイスの銀行UBSグループは主力不動産ファンドを清算する。投資家は低迷する商業用不動産市場から資金を引き揚げており、それに伴い混乱が広がっていることが改めて示唆された。

UBSが清算するファンドはクレディ・スイスを買収した際に継承したもので、一部の商業用不動産へのエクスポージャーが高かった。同行によれば資産規模は19億スイス・フラン(約3200億円)で、80%以上をオフィス用不動産が占めていた。米国とドイツの資産が特に多かったという。

UBSはファンド閉鎖を決定した背景について、まだ残る償還請求に応じた場合、最も流動的な資産を長期的な本源的価値よりも安く売却することになると15日の発表資料で説明した。

こうした懸念は不動産ファンドの間で広がっている。投資家から資金の返還を求められれば、ファンドマネジャー側は最良の資産でも割安な価格で売却せざるを得なくなり、その過程でポートフォリオが毀損(きそん)される。

原題:UBS to Wind Down Legacy Real Estate Fund on Office Market Woes(抜粋)

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