北陸新幹線の「E7系」と「W7系」何が違う? 実はほとんど同じの兄弟車

AI要約

北陸新幹線では、JR東日本のE7系とJR西日本のW7系が使用されている。

E7系とW7系は共通設計車で、外見や内装など多くの要素が共通している。

E7系とW7系は細かい部分を除いてほぼ同じ形式であり、実質的には同じ形式と言える。

北陸新幹線の「E7系」と「W7系」何が違う? 実はほとんど同じの兄弟車

 北陸新幹線では、JR東日本のE7系と、JR西日本のW7系の、2つの形式が使われています。

 E7系は、2014年3月にデビュー。当時は北陸新幹線(長野新幹線とも)は長野駅までの開業で、列車種別も「あさま」のみでした。ここで営業運転を開始したE7系は、それまで北陸新幹線で使われていたE2系を順次置き換えていきました。また、2019年3月以降は、上越新幹線の「とき」「たにがわ」にも投入されています。一方のW7系は、2015年の北陸新幹線長野~金沢間延伸開業にあわせて営業運転を開始しました。

 E7系とW7系は、北陸新幹線金沢開業を見据えて開発された共通設計車です。両形式とも、現代の新幹線としては比較的シンプルな先頭形状や、白と青のデザイン、12両編成という形態など、ほとんどの要素が共通しています。違う点を挙げるとすれば、会社・形式表記、車内チャイム、編成記号、所属基地、運用など、細かい部分ばかりです。

 E7系・W7系の側面には、「7」をモチーフとしたロゴが描かれています。基本的なデザインは両形式で共通ですが、E7系は「EAST JAPAN RAILWAY」、W7系は「WEST JAPAN RAILWAY」と、社名部分の表記のみが異なっています。

 車内チャイムは、E7系は上越・北陸新幹線で使われてきたメロディーを使用。W7系では、谷村新司さん作曲の「北陸ロマン」がアレンジされて使われています。なおW7系では、2015年3月から9月までの約半年間は、東海道・山陽新幹線のJR西日本所属車両と同じ「いい日旅立ち・西へ」が使われていました。

 新幹線では、形式ごとに別々の編成記号がつけられています。たとえばE5系は「U」、E6系は「Z」などとなっていますが、E7系は「F」、W7系は「W」が使われています。

 両形式は所属会社が異なるので、所属車両基地ももちろん異なります。E7系は長野新幹線車両センターと新潟新幹線車両センター、W7系は白山総合車両所に所属。長野新幹線車両センター所属車は「かがやき」「はくたか」のほか「あさま」運用が多い一方、新潟新幹線車両センター所属車は「とき」「たにがわ」運用が中心。白山総合車両所所属車は、敦賀開業以降は「かがやき」「はくたか」「つるぎ」が中心の運用となりました。とはいえ、新潟所属車が北陸新幹線の運用に入ることも(その逆も)あり、E7系の運用をW7系が代走することも(その逆も)あるようです。

 以上のように、E7系とW7系の違いは、非常に細かい点ばかり。東海道・山陽新幹線の場合、たとえばN700Sのように、JR東海とJR西日本が同じ形式を導入しています。E7系・W7系も、社名を表すアルファベットが違うのみで、N700Sなどと同様、実質的には同じ形式といえます。