隣に座る「トナラー」より迷惑? 電車で異常にもたれかかってくる「寄りかかラー」という現代の闇

AI要約

日本の通勤電車での「寄りかかラー」現象についての調査結果をまとめると、許される寄りかかラーや許されない寄りかかラーが存在し、特に女子高生や若い女性、美人などは許されやすい傾向がある。

寄りかかラーに対する人々の対処法や不届きな行動も紹介され、押し返す、肩を外す、席を移動するなどの対策が取られているが、中には一度押し返してもやってくる「リピーター」もいる。

記事に登場する40代女性はコロナ禍を経て人との密着が苦手になっており、今は誰であっても寄りかかラーには軽く押し戻すようになっている。

隣に座る「トナラー」より迷惑? 電車で異常にもたれかかってくる「寄りかかラー」という現代の闇

 通勤電車でときどき遭遇するのが、座席で寝ていて寄りかかってくる人、

「寄りかかラー」

だ。ここまで公共の場で寝られるのも、日本が他の国に比べたら治安がいいからだが、訪日外国人は驚いたり、うらやんだり、あきれたりしている。SNSには

「日本の電車は乗り心地がよくて適温、運転もスムーズ。これは寝てしまう」

と自身も眠るようになったという外国人の書き込みもある。

 そういった環境に関しては恵まれている日本人だが、寄りかかラーとなるとどうだろうか。筆者(鳴海汐、国際比較ライター)は

・満員電車で放屁する「オナラ―」(2024年7月1日記事配信)

・電車で大股を開いて邪魔する「股ラー」(2024年8月1日記事配信)

に続いて調べてみた。

 寄りかかラーにはヒエラルキー(階層)があり、

・許される寄りかかラー

・許されない寄りかかラー

が出てくる。SNSを見てみると、寄りかかられる側の男女ともに、

「女子高生などの女子学生」

には甘い傾向がある。

「若い」

「(体重が)軽い」

「臭くない」

「かわいい」

「勉強や部活をがんばっていて大変なんだろうな」

という応援の気持ちからだという。女子高生の“プレミア感”から、むしろ歓迎する男性もいる。

・若い女性

・美人

・いい匂いがする女性

は、エイジズム(年齢に基づく差別や偏見)、ルッキズム(外見や容姿に基づく差別や偏見)ではあるが、それに続いて許されやすいのが実情である。男性では、「(学生・社会人問わず)イケメン」が比較的許されやすいが、

「疲れた様子のサラリーマン」

にはたまに同情票が集まる。しかし

・体の大きな男性(重い)

・酔っぱらい

・不潔感のある人

となるとハードルが上がってしまう。

 寄りかかラーはふびんだが、寄りかかられる側にとっては重かったり不快だったりするのも事実だ。

 男性のなかには、隣が女性だと知って寝たふりをして寄りかかったり、本当に寝たりするとしても、両サイドには男性も女性もいるのに、

「女性側を選択」

している不届きものの寄りかかラーがいるのも多数目撃されている。人々はどう対処しているのか。自身が寄りかかラーでもあれば

「お互いさまなので誰にでも肩を貸す」

という人もいるが、アクションを起こす人が少なくないようだ。

・押し返す

・肩を外す

・前かがみになって寄りかかられないようにする

・肩をトントンとして起こしてから重いと伝える

・席を移動する

 たいていの寄りかかラーは、一度押し返してもやってくる“リピーター”だ。もちろん「席を移動する」「肩をトントンとして起こしてから重いと伝える」であれば、その後は改善されるのだが、SNSで興味深いコメントを見かけた。肩や肘ではなく、

「1本指で押し返すと戻ってこない」

というものだ。やり方によっては痴漢に間違えられかねないので要注意だが、可能であれば真偽のほどを試してほしい。

 筆者の知人の40代女性は、以前は清潔感がある女子、イケメン、たまに心が広いときは疲れたサラリーマンにも肩を貸していたが、今は

「誰であっても嫌」

で軽く押し戻しているという。コロナ禍を経て一層、人との密着が苦手になった人も多いかもしれない。