建物の屋根の下の方に付いている「雨どい」……実はバスにも付いているってマジ!?

AI要約

雨どいは建物だけでなく、乗り物にも存在する。新幹線やジェット旅客機など、様々な乗り物で雨どいが設置されている。

雨どいは、屋根から落ちる雨水を受け止め、地面に導く役割を果たしている。水切りと呼ばれる部材もあり、鉄道車両の場合にはJIS規格で定義されている。

雨どいは窓が開かない車両や機体にも設置されており、乗り物全般で雨水の対策が行われている。

建物の屋根の下の方に付いている「雨どい」……実はバスにも付いているってマジ!?

 降った雨水が流れてほしくない方向に行くのを防ぐ「雨どい」。住宅などの建物には定番の設備であるこの雨どい、風雨に晒されながら使われる点では建物と同じ条件に当てはまる、乗り物の類いにも何気に付いていたりする。

文・写真:中山修一

(非・建物系な雨どいの写真付き記事はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください)

 雨どい付きの乗り物の代表格に挙げられるのが鉄道車両だ。まず新幹線を例にすると、車体横のドアの上あたりに、カーブを描いた細長い板のようなパーツが付いていて、これが雨どいに相当する。

 一方で在来線の車両では、屋根の両肩に雨どいを設けている車種が最近は多いようで、外付けタイプと車体のデザインに一体化させているタイプがある。

 外付けタイプは車両を横から見ると、屋根とボディの接合部のあたりに、横長の出っ張りが車体の前後いっぱいに渡してあるので判別しやすい。

 いずれのタイプも、雨が降った際に屋根から滴り落ちてくる雨水を雨どいで受け、意図した位置まで雨水を導いて、地面に落とす仕組みになっている。

 また、「雨どい」のほか「水切り」と呼ばれるものがある。こちらも水捌け対策のパーツで、鉄道車両の場合……

 (1)雨どい:屋根の雨水が側及び妻に流れ落ちないように受け止める溝形の部材。

(2)水切り:窓又は出入口の上部、開戸の下部などに設け、雨水が内部に回り込むのを防ぐ部材。

 ……といった具合にJIS規格で定義が決まっている。

 これを踏まえると、厳密には新幹線のものは水切りに近いと言えそう。とはいえ、あくまで趣味レベルなら、杓子定規になりすぎたところで誰も得しないので、ここでは一括りに「雨どい」と呼んでおこう。

 窓が開かないので必要ないのでは?と一瞬思ってしまうものの、ジェット旅客機にも雨どいの付いた箇所があったりする。

 機体をクロースアップしてよ~く観察すると、旅客用ドアの上あたりに、斜めに入った線のような突起物に気付く。実はこれが雨どいに相当する。

 ジェット旅客機の胴体は円いため、地上で停止している際に雨が降ると、落ちてきた水滴は胴体の形に沿って、そのまま下に垂れてくる。

 そのためドアの部分に関しては、乗り降りの際に垂れてきた雨水で人が濡れないよう、雨どいを設置して対策を取っているわけだ。