連続34回目の挑戦!! さらなる高みを目指し日野チームがダカール・ラリー2025へ参戦を表明

AI要約

日野自動車が2025年のダカール・ラリーに参戦を表明

過去の挑戦結果や改良点、整備体制の見直し

メカニックの育成やサウジアラビアでの開催概要など

連続34回目の挑戦!! さらなる高みを目指し日野チームがダカール・ラリー2025へ参戦を表明

 日野自動車は、2025年1月3日~17日にかけてサウジアラビアで開催予定のダカール・ラリー2025に、レーシングチーム「日野チームスガワラ」の参戦を表明した。ダカール2025に向けた参戦体制はどうなるのか?

 文/トラックマガジン「フルロード」編集部、写真/日野自動車

 1991年に当時のパリ・ダカール・ラリーのカミオンクラスに日本のトラックメーカーとして初参戦した日野自動車は、サウジアラビア開催となった現在のダカール・ラリーに至るまで連続出場を続けている。

 今年挑戦したダカール・ラリー2024では、トラック部門の全46台中6位と大きく躍進し、初参戦以来更新が続く連続完走も33回を達成した。

 その躍進の裏では、第2ステージでトランスファーに内蔵されている副変速機のハイギアが故障するトラブルに見舞われ、セミマラソンステージの第3、第4ステージにかけてはオートマチックトランスミッションのクラッチに滑りとロックアップが遅れる症状が発生。

 また大会運営が新しい試みとして設定した、険しい砂丘郡を2日間に渡って走りきる「48hクロノ」では、燃料噴射系の配管に折損が見つかり、ガス欠状態でストップするという最大のピンチも経験した。

 これらを受けて2025年大会参戦車両は、ハイブリッドシステムを撤廃した2024年大会のHINO600シリーズをベースに、エンジン周りの配管経路や部品剛性の見直し、オートマチックトランスミッションのクラッチ板の強化など、信頼性を高める改良を実施。

 また整備体制では、トランスファーやサスペンションといった部品を使用状況の予測に基づいた交換サイクルを設定し予防整備を徹底、さらに人数と時間を要する整備が重ならないようにする体制の見直しも図る。

 いっぽう、レース活動を通じ日野自動車のメカニックの育成とモチベーション向上を図る試みとして続けている、販売会社メカニックを登用する選考会を7月に実施。

 今年は公募から選抜された青森日野自動車の柏谷壮一郎(かしわや そういちろう)、南関東日野自動車の邵相権(しょう そうけん)、長野日野自動車の上原智史(うえはら ちふみ)の3名がチームに帯同することが決定した。

 また、日野の社員がメカニックとしてダカール・ラリーへの参加を目指す試みとして、今回社内より選抜された4名が参戦車両の製作に参加している。

 2025年大会は、中東サウジアラビア1国開催となって6度目を迎える。正式ルートの発表はまだ未定だが、2日間サービスチームなしで砂漠に取り残されるマラソンステージ「48hクロノ」は今回も設定される見込みで、タフなレース展開が予想される。

 整備体制の見直しと信頼性を高めたマシンで、大排気量エンジンを擁する強豪チームにどの程度肉薄できるか。日野チームスガワラの躍進に期待したい。