東証4451円急落に大企業幹部も驚き JFEやSUBARU、業績への影響に懸念

AI要約

日経平均株価の史上最大の下落幅を記録した東京株式市場で、4~6月期の決算発表をした企業からは業績への懸念が上がっている。

鉄鋼大手のJFEホールディングスは市場環境の変調に驚きを示し、為替動向などの影響を懸念している。

SUBARUは米国の経済動向に警戒感を示し、米国市場が収益の大部分を占めるため、株安や円高が業績への影響を懸念している。

東証4451円急落に大企業幹部も驚き JFEやSUBARU、業績への影響に懸念

東京株式市場で日経平均株価が史上最大の下げ幅を記録した5日、4~6月期決算を同日発表した企業からは業績への影響を懸念する声が上がった。

「驚きをもって受け止めている」。鉄鋼大手のJFEホールディングスの寺畑雅史副社長は、オンラインの決算会見で市場環境の変調についてこう述べ、今回の下落は「行き過ぎている部分がある」との見方を示した。

株価の急落の背景には、米国の景気減速や外国為替市場での円高進行などがあるが、特に為替動向について寺畑氏は「(円安などによる物価高を取引価格に転嫁する)販売価格の改善に影響が考えられる。急激な変化は好ましくない」と指摘した。鉄鋼業界は為替影響も含めて原料費、物流費などのコスト上昇分を反映する販売価格の引き上げを進めていたが、大幅な円高進行が続けばこれらのコスト試算の前提が変わる可能性がある。

一方、SUBARU(スバル)の水間克之専務執行役員CFO(最高財務責任者)は電話会見で、「米国の株安は消費に影響するので心配だ」と、東証急落の震源でもある米景気動向に警戒感を示した。東証の急落に先立ち、2日の米ニューヨーク株式市場ではダウ工業株30種平均が続落、下げ幅は900ドルを超える場面もあった。

スバルは自動車販売の約7割を占める米国が収益基盤だ。5日発表した4~6月期の連結営業利益は前年同期比7・9%増の911億円だったが、円安による利益押し上げ効果が409億円と大きい。急速な円高進行に加え、株安で高額な商品の購入意欲が減退するなど米個人消費が落ち込めば業績に二重の下押し圧力がかかるだけに、水間氏は米経済の動きを「しっかりとみていかないといけない」と話した。