国内景気は4カ月ぶりに好転~猛暑やインバウンド消費が押し上げ~

AI要約

帝国データバンクの2024年7月の国内景気調査によると、景気DIは前月比0.5ポイント増の43.8となり、4カ月ぶりに改善した。

夏の猛暑による需要増や好調なインバウンド消費、自動車生産の復調などが景気を押し上げた一方、消費者の節約志向や人手不足がマイナス要因となった。

業界別では、飲食店や教育サービス、情報サービスなどが改善し、地域別では北海道や東海などが景気改善を示した。

国内景気は4カ月ぶりに好転~猛暑やインバウンド消費が押し上げ~

 帝国データバンクが2024年7月の国内景気に関する調査を実施したところ、景気DIは前月比0.5ポイント増の43.8となり、4カ月ぶりに改善した。

 7月は、外国為替レートが1ドル=161円台から149円台まで変動したほか、株価も5,000円近く上下するなど、金融市場は大きく揺れた。

 しかし、猛暑によるエアコンの特需やアルコール消費の増加など季節需要が急拡大したほか、好調なインバウンド消費もプラス材料となった。さらに、自動車生産の復調や旺盛なDX需要、都市の再開発事業なども好材料だった。

 一方で、消費者の節約志向の高まりが個人消費を抑制したほか、仕入単価の上昇によるコスト負担の増加、人手不足などはマイナス要因となった。

 業界別では、暑さが厳しくなるなか、エアコン特需やアルコール消費など季節需要が押し上げ要因となった。他方、消費者の節約志向や仕入れコストの高騰、人手不足などは悪材料だった。

 なかでも、『サービス』は4カ月ぶりに改善。「飲食店」は、堅調なインバウンド需要に加え、暑い日が続くなかビアホールなどの景況感が大幅に上向いた。

 夏休みを迎え4カ月ぶりに「娯楽サービス」や「旅館・ホテル」が改善したほか、夏期講習や自動車教習所などが活況だった「教育サービス」は2カ月連続で改善となった。

 旺盛なDX需要が続いている声の多い「情報サービス」は2年10カ月連続で50台を維持した。消費者の節約志向、新型コロナの再拡大などマイナス材料もあるが、『サービス』は15業種中11業種が改善した。

 全国を10の地域に分けてみると、『北海道』『東海』『中国』など10地域中7地域が改善、『四国』など3地域が悪化。都道府県別では25都道府県が改善、20県が悪化した。好調なインバウンド消費や建設需要の高まりが地域経済の押し上げ要因となった。他方、『東北』は大雨の影響が下押しした。

 なかでも、『北海道』は2カ月連続で改善。「日胆」「道東」エリアは、厳しい状況ながらも大幅に上向いた。大規模工場の建設や都市再開発、マンション建設などが押し上げたほか、全国で猛暑が続くなか観光需要は好調だった。

 国内景気は、猛暑の効果やインバウンド消費などがけん引してプラス方向に転じた。