インバウンド客開拓のカギは「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」需要の取り込み。訪日観光客を越境ECを利用してもらうためのヒント

AI要約

2024年6月の訪日外客数が単月過去最高を記録するなどインバウンドが急速に増加しています。越境ECサービス「Buyee」ユーザーに行ったアンケート調査結果から、訪日観光客の消費意欲や独自性への需要、買い物予算の高さなど、インバウンド復活と越境EC活用の可能性が浮かび上がっています。

訪日外客の買い物目的や予算、そして旅行前の情報収集方法などから、日本商品の独自性や品質が観光の魅力に繋がっていることが窺えます。訪日観光客の消費意欲は旺盛であり、訪日外客の買い物予算は国内旅行者の2倍以上になるなど、市場の可能性が大きいことが分かります。

「旅マエ」の情報収集はSNSや情報サイトだけでなく、ECサイトを通じた海外ブランドや販売店の実店舗への訪問も一定割合で行われており、さまざまな方法で旅行前の準備が行われていることが示唆されます。

インバウンド客開拓のカギは「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」需要の取り込み。訪日観光客を越境ECを利用してもらうためのヒント

2024年6月の訪日外客数が単月過去最高を記録するなどインバウンドが急速に増加しています。それに伴い、インバウンド取り込み施策の1つとして越境ECに注目する事業者が増えています。そこで今回は、越境ECサービス「Buyee(バイイー)」ユーザーに行ったアンケート調査結果を中心に、インバウンド復活と越境EC活用の可能性を探りました。そこから見えてきた、インバウンド客を取り込むカギは、「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」需要の理解・把握です。

 

訪日観光客の消費意欲を見てみましょう。訪日経験がある「Buyee」ユーザーに「訪日の目的」を聞いたところ、「買い物」(78.4%)が1位となりました。

日本発の越境ECの特徴には、「安さや物量ではなく、日本でしか購入できない独自性や品質の高さに対する需要がある」がありますが、(詳細はこちらの記事を参照)アンケート結果からもこうした日本商品の独自性や品質が、観光の目的になるほど魅力があると言えます。

そのため、帰国後も「再びその商品をほしい」「その文化を再体験したい」と思った時に、それを実現できる環境を整備していることは非常に重要なのです。

訪日時の買い物予算は、「10万以上」が50.7%で半数以上を占めています。2023年における日本人1人の国内旅行1回あたりの旅行支出は6万3212円でした。この旅行支出には宿泊費や交通費なども含まれることを考慮すると、訪日外客の買い物予算は国内旅行者の2倍以上になると考えられ、旺盛な消費意欲があることがわかります(参考:観光庁 「旅行・観光消費動向調査 2023年年間値(確報)」)。

 

「旅マエ」の情報収集としては、SNSや情報サイトの活用がイメージされますが、アンケートからは意外な結果も見えています。「ECサイト経由で知った海外のブランドや販売店の実店舗を旅行で実際に訪問したことはあるか」という質問に対して、「はい」と回答したユーザーは49.4%、約半数という結果になりました。