ロータス・エレトレ 詳細データテスト 価格を超えた高級感 大きすぎるボディ シャシー制御は要改善

AI要約

新時代の象徴として公開された斬新なハイパーSUVが誕生した。これまでのロータスのイメージを打ち破るクルマは、サステイナブルでグローバルな高級車ブランドへの変貌を示している。

ロータスの伝統とは異なるスタイルやサイズを持つエレトレは、多くの競合車よりも大きく、軽量さに疑問を投げかける。しかし、SEAプラットフォームを採用し、進化した電動システムや先進的なサスペンションを備えている。

上位モデルのRは919psのパワフルなモーターと高性能な機能を備え、最新テクノロジーが満載。高級SUVとしての立ち位置を明確にする一方、独自のロータスらしさも際立っている。

ロータス・エレトレ 詳細データテスト 価格を超えた高級感 大きすぎるボディ シャシー制御は要改善

ロータスの既成概念を打ち破る、斬新なハイパーSUVが誕生した。そのクルマは2022年、ジーリー傘下で迎える新時代の象徴的存在として公開。新たなマーケットへ参入し、サステイナブルでグローバルな高級車ブランドへと姿を変えて、これまでとは違う客層を取り込もうというロータスの意志を示した。

過去70年にわたりロータスが造り続けてきたスポーツカーとはまったく異なり、エレトレはその戦略的な目的をすぐに叶えた。では、クルマそのものとしては、オーナーやドライバーに応えてくれるのか、今回はそれを確かめたい。

われわれはこれまで、エレトレに国内外いずれでも試乗し、中間グレードは公道上でライバルとの比較も行なった。そこで印象に残ったのは、これが新鮮で興味深い高級電動SUVだということだ。

今回はトップグレードのRを用意した。はたして前CEOのマット・ウィンドルが2年前に請け合ったとおり、0-100km/hを2秒台でこなせるのかなど、その実力をじっくり検証していこう。

エレトレは、全長が5.1m、ホイールベースが3mを超えるSUVだ。どちらもレンジローバー以上で、BMW iXやアウディQ8 E-トロン、テスラ・モデルXといった競合する電動車の多くよりもかなり大きい。

ルーフはほとんどのライバルより低く、視覚的な軽さがないわけではないが、ブランドの伝統に敬意を払ってデザインされたと言われても、絶対的なサイズゆえに、これがロータスだと本気で受け入れるのは容易ではない。これほど大きなクルマが、軽量であるはずはないのだ。テスト車の実測重量は2682kgと、電動SUVとしても軽いほうではない。たとえば、2021年に計測したアウディE-トロンSは2634kgだった。

プラットフォームは、ジーリーのサステイナブル・エクスペリエンス・アーキテクチャー(SEA)の系統としてロータスが開発。アルミと熱間成型スティールの混成シャシーに、アルミのボディワークを組み合わせている。

ベースモデルをはじめ、上位機種のSとRも、実用容量108kWhのニッケル・マンガン・コバルト式リチウムイオンバッテリーをフロア下に積み、前後モーターを駆動する4WD。下位2機種は612psだが、Rは2速ATを組み合わせたパワフルなリアモーターを採用し、919psにアップしている。

サスペンションは前後マルチリンクで、車高調整式マルチ気室エアスプリングと連続可変ダンパーが標準装備。4WSやアクティブスタビライザー、ブレーキベースのトルクベクタリングといった、このサイズと価格帯の高級SUVなら最近では当たり前のアイテムは、Rに標準装備、それ以外ではオプションとなる。