シンガポールの不動産投資会社ESR、日本の物流施設に大規模投資

AI要約

シンガポールの不動産投資信託であるESRロゴス・リートは、親会社から日本とシンゴアプールの物流施設を買収することに合意した。

取引の一環として、名古屋の倉庫とシンガポールのトゥアス港近くの施設を取得する予定。

ESRロゴスは、急成長するアジアのEコマース市場に焦点を当て、今後の成長を見据えている。

シンガポールの不動産投資会社ESR、日本の物流施設に大規模投資

米国のプライベート・エクイティ会社、ウォーバーグ・ピンカスが支援するシンガポールの不動産投資信託であるESRロゴス・リートは7月31日、親会社のESRグループから日本とシンガポールの物流施設の持分を5億7600万ドル(約860億円)で買収することに合意した。同社は、急拡大するアジアのEコマース市場から利益を得ようとしている。

取引の一環として、ESRロゴスは名古屋の倉庫を380億円で取得する。物流ハブに位置するこの倉庫は4階建てで、面積は約8万平方メートル、稼働率は89%とされている。

ESRロゴスはまた、シンガポールのトゥアス港近くの製造・物流施設の51%を4億3420万シンガポールドル(約484億円)で買収すると発表した。シンガポールの最西端で建設が進むトゥアス港のコンテナ処理能力は現状で年間3900万TEU(20フィートで換算したコンテナ個数を表す単位)だが、2027年までに年間6500万TEUに拡大される予定だ。

ESRロゴスが買収するこの施設は、製造施設と新たに建設されたランプアップ型物流倉庫からなり、面積は約25万平方メートルとされている。

ESRロゴスCEOのエイドリアン・チュイは声明で、「この物件は、当社の戦略に適合した高品質の資産だ」と述べた。同社は、この買収のための資金を、環境に配慮したプロジェクトのためのグリーン・デット・ファイナンスと、既存投資家への投資口の優先割り当ての組み合わせで調達する予定という。

ESRロゴスの総資産は、6月時点で50億シンガポールドル(約5600億円)で、同社はオーストラリア、日本、シンガポールに合計の延床面積が210万平方メートルの71の物件を所有している。