古河産業、ドローンメーカーと合弁設立。資機材運搬事業を強化

AI要約

古河産業はドローンを活用した資機材運搬事業の合弁会社を福島県いわき市に設立し、送電用鉄塔の保守点検向けにサービス展開を始めた。

新会社では運搬業務だけでなく現地調査や作業計画策定なども行い、将来的には全国にサービス拠点を持つ計画を立てている。

古河産業は新たな市場開拓も視野に入れ、風力発電やダムの建設現場などでの運搬業務の拡大を目指している。

 古河電工グループの中核商社である古河産業(本社・東京都港区)はドローンによる資機材運搬事業の合弁会社を、今週福島県いわき市に設立した。同社は国産ドローンメーカーのドローンワークシステム(本社・福島県いわき市)と共同して送電用鉄塔の保守点検向けなどで資機材運搬サービスを展開。両社折半出資で設けた新会社「イーグルフライト」で技術系などの人材採用や拠点開設などを機動的に行える体制を整備した。併せて古河産業ではマーケティングや営業に特化して、受注拡大や新商圏開拓に注力。事業拡大を狙う。

 古河産業は新規事業創出に注力しておりドローンを活用したビジネスはその一環。ドローンで顧客業務を省力化・効率化する事業の拡大を目指している。運搬事業は現在ドローンワークシステムと共同開発した大型ドローン8機で展開。送電用鉄塔の保守点検向けを主力に、クレーンが入れない山間部や搬送用モノレールの敷設ができない国立公園などで、人手に頼っていた資機材の運搬を担うことで作業者の負担を低減している。今後は新会社での人員・拠点体制の増強などで事業を強化したい考え。2028年度にはドローンによる資機材運搬の売り上げ規模を23年度比で約10倍に拡大させたいという。

 新会社では運搬業務に加えて、その前段の現地調査や作業計画策定、操縦者の手配や保険加入などの業務を行う。資本金は1千万円で従業員は4~8人でスタート。社長にはドローンワークシステムの手島朋広代表取締役が就く。古河産業からは2人が非常勤の取締役に就任予定。

 新会社で事業の強化を進める方針。現在は東北などにドローンによる運搬事業の拠点を有するが、新規事業統括部門共創プロジェクト推進部の佐々木慶部長は「ゆくゆくは全国にサービス拠点を持つことも考えている」と話す。今後は幅広い地域の顧客を迅速にカバーするため北海道・中部・中国・九州での設置も検討。拠点開設と合わせて現場で機体を保守する技術系などの人材補強も進め、新会社では将来的に約20人に増員することを視野に入れている。新会社が自社で統一基準のもと人材育成を行うことで、サービスの均質性を全国で確保できるという。また古河産業では今後、風力発電やダムの建設現場などでの運搬業務の市場も開拓したい考えだ。