海外ではディズニーランド、USJに次ぐ知名度…外国観光客が急増している栃木県にあるテーマパークの名前

AI要約

茨城県大洗町の「神磯の鳥居」は、外国人観光客が早朝から集まる人気の観光名所であり、壮大な景観が特に魅力的である。

地元民との交流やローカルな魅力に触れることができる、知る人ぞ知るディープな観光スポットである。

栃木県の「あしかがフラワーパーク」は、外国人に人気であり、「ディズニー、ユニバーサルスタジオ」に並ぶ有名なパークとして知られている。

外国人観光客は日本のどこを訪れているのか。東大カルペ・ディエムによる『外国人しか知らない日本の観光名所』(星海社新書)より、第2章「関東地方の知られざる観光名所」の一部を紹介する――。(第1回)

■早朝から外国人観光客が集まる鳥居

 茨城県大洗町の「神磯の鳥居」は、その美しい朝日が写真映えすると話題になり、フォトスポットとして一躍有名になりました。祭神の降臨地とされる岩礁は「神磯」と呼ばれ、一般人が足を踏み入れてはいけない禁足地に指定されている、宗教的なパワースポットでもあります。

 神社の祭神は、神話「因幡の白うさぎ」で知られる福徳を授ける神、大己貴命と傷病治癒の神少彦名命。彼らが世の苦しむ民を救うために降臨されたのがこの神磯の鳥居の場所です。

 さて、なぜこの鳥居が外国人の間で有名となったのでしょうか?

 人気の理由

 人気なのは、なんといってもやはり壮大な景観です。太平洋から昇る朝日と磯に打ち寄せる荒波を背景に、凛とたたずむ鳥居は圧巻です。日の出時には多くのカメラマンが訪れシャッターチャンスを狙います。

 朝は地元のお店や社務所も開いていませんが、皆この風景を見るために鳥居の前に集まります。日が昇った後は神社境内にある、24時間採水可能な「御神水」で水をもらい福を持ち帰ります。

 特に冬至の時期は日の出が遅いため、外国人観光客が朝早くタクシーに乗って地元の人と一緒に朝を迎えることが増えてきているようです。

 また夜の海に映える鳥居の影も幽玄で美しく、徳川光圀が「荒磯の岩に砕けて散る月を一つになして帰る浪かな」という和歌に詠んだ、静かな月と共に海辺で過ごす時間を味わえます。

■地元民との触れ合いを求めて

 注目ポイント

 神磯の鳥居はまだ人気になり始めたばかりのスポットで、多くの外国人向け観光サイトに紹介されているわけではありません。

 知る人ぞ知るディープな観光スポットなため、地元の方と外国人観光客が荘厳な鳥居を背景にお互い交流をしたり、町内を案内してもらったりといった温かさがあるのが注目ポイントです。

 近年はパッケージツアーではなく個人旅行が主流となっており、こういった地元の方との触れ合いやその土地ならではのローカルな魅力に出会えるのが、外国人観光客を惹きつける観光地の特徴なのかもしれません。

■10万人の外国人が訪れる栃木の施設

 日本人の多くは、「あしかがフラワーパーク」の名前を耳にしたことがあるのではないでしょうか。しかし、近年このフラワーパークに外国人観光客が急増し、中国やマレーシアやベトナム、タイなど東南アジア系の人をたくさん見かけるのは、まだあまり知られていません。

 実際、外国人に話を聞くと「ディズニー、ユニバーサルスタジオに続く日本の有名なパーク」として、三大パークの一つに数えられるというから驚きです。

 2014年にアメリカのテレビ局CNNが、あしかがフラワーパークで有名な「大藤」を取り上げたことで人気が沸騰し、翌年の外国人観光客は前年の倍となる10万人に達しました。

 しかし一体、フラワーパークの何がここまで外国人にフィットしているのでしょうか?

■ディズニー、ユニバーサルスタジオ、そして…

 人気の理由

 春頃には「ふじのはな物語」というイベントが開催され、夜間にはライトアップが行われます。毎年秋から冬にかけてはイルミネーションが開催され、日本三大イルミネーションに選ばれる圧倒的なスケール感と、花をモチーフにした数々の光が実際の花畑と相まって幻想的な風景が出現します。

 そして、米CNNが世界の夢の旅行先として日本で唯一選んだ地でもあり、SNSの投稿の多くは外国人観光客によるものであふれています。

 特に「リール」と呼ばれる、頭上にまるで降り注ぐような藤の数々や広大なイルミネーションがある様子を映した動画が臨場感を持って発信されることで多くの人の目に留まり、「ディズニー、ユニバーサルスタジオに続く有名なパーク」と外国人の間で認知されるようになりました。