スキマバイトの「タイミー」が上場 時価総額1000億円超のユニコーン企業に導いた「27歳社長の素顔」

AI要約

タイミーが東証グロース市場に上場し、時価総額1379億円で「ユニコーン企業」となった。創業者の小川嶺代表は27歳で、アプリを通じてスポットワーク市場を拡大している。

タイミーのアプリは、バイト探しから報酬支払いまでを簡略化し、即日給与支払いも可能。競合他社が登場しても、小川は自信を持って事業を展開している。

メルカリやリクルートがスポットワーク市場に参入する中、タイミーはリクルートの出木場社長との縁もあり、ポジティブに展望を示している。

スキマバイトの「タイミー」が上場 時価総額1000億円超のユニコーン企業に導いた「27歳社長の素顔」

 スキマバイトアプリを運営する「タイミー」が本日7月26日、東証グロース市場へ上場する。公開価格ベースでの時価総額は1379億円。2018年8月のサービス開始にもかかわらず、「ユニコーン企業」となった。

 創業者の小川嶺代表(以下、人物の敬称略)は27歳。立教大学生だった20歳のときにファッション事業を起業したが、事業存続に悩み自ら畳んだ。その後、残った借金30万円(うち20万円は親から)の返済のため、アルバイトに勤しむことになった。

 「なんで応募にメールを使うんだろう。アプリで完結すればいいのに」。忙殺される中、ふと抱いた不満がきっかけとなった。そこからタイミーのアプリ開発とサービスの構築が始まった。

 「すぐに働けて、すぐにお金がもらえる。コツコツがんばっている人が報われる世界を作る」。創業時から一貫して小川がこだわってきたことだ。

 その言葉のとおり、タイミーのアプリは、仕事探しからマッチングまでが履歴書や面接なしで完結する。給与はバイトした日のうちに振り込まれる。クライアントの事業者は、バイトに出す報酬の3割に当たる額を、サービス利用料としてタイミーに支払う。

■メルカリなどのライバル出現にも動じず

 タイミーの登録ワーカー数は直近公表数字によると4月末時点で770万人。タイミーが開拓した、隙間時間を活用して働く「スポットワーク市場」はさらなる拡大が見込まれる。

 今年3月にフリマアプリを展開するメルカリがスポットワークアプリ「メルカリ ハロ」を開始。今秋には人材大手のリクルートも市場に参入する。ベンチャーのタイミーにとっては強力なライバル出現となるが、小川に焦る様子はない。

 「スポットワークが新しい働き方だという認識が広がるし、自分たちがナンバーワンになればいいから追い風」と余裕の構えだ。メルカリCEOの山田進太郎(46)は尊敬する起業家の1人で、一緒にサッカーをする仲という。

 リクルートとも不思議な縁がある。タイミーがサービスを開始した半年後。小川はリクルート現社長である出木場久征(49)の訪問を受けた。

 当時の出木場は、自ら買収を主導したアメリカのIndeed社のCEO。日本滞在は2日間というタイトなスケジュールの合間を縫ってタイミーを訪問した。出木場の感度の高さと、スポットワークというビジネスへの関心がうかがい知れる。