トンネルで時速335キロを達成するのは実はカンタンじゃなかった! ベントレー新型「コンチネンタルGTスピード」の偉業の舞台裏を紹介します

AI要約

ベントレー新型「コンチネンタルGTスピード」はノルウェーのローガラン県にあるリフェルケトンネルで時速335km/hの「海底トンネルでの世界最速記録」を達成。

新型コンチネンタルGTスピードはウルトラパフォーマンスハイブリッド・エレクトロチャージドパワートレインを搭載し、サステインとソーラーパネルからの電力で走行。

記録達成のために13カ月の準備と計画が必要で、物理的な挙動もシミュレーションしてトンネル内での安全な走行を確保。

トンネルで時速335キロを達成するのは実はカンタンじゃなかった! ベントレー新型「コンチネンタルGTスピード」の偉業の舞台裏を紹介します

ベントレー新型「コンチネンタルGTスピード」はノルウェーのローガラン県にあるリフェルケトンネルを舞台に時速335km/hの「海底トンネルでの世界最速記録」を達成しました。この記録達成の舞台裏の模様はベントレーのYoutube公式チャンネルで公開されていますが、その取り組みについてご紹介しましょう。

ベントレーの新型「コンチネンタルGTスピード」は2024年4月18日、ノルウェーにある14.5kmのリフェルケトンネルで最高速度を記録した。このトンネルは、海底道路トンネルとしては最長であり、海面下292mを最下点とする世界で最も深いトンネルでもある。ベントレーの新しいウルトラパフォーマンスハイブリッド・エレクトロチャージドパワートレインを搭載した新型コンチネンタルGTスピードは、コリトン社の製造する第2世代の再生可能バイオ燃料である「サステイン」と、ベントレーが所有するソーラーパネルからの電力で充電されたハイブリッドバッテリーで走行し、最高出力782ps/最大トルク1000Nmの実力を軽々と発揮した。

クラスをリードするこの新しいパワートレインは、従来のW12エンジンよりも馬力とトルクが向上し、CO2排出量も29g/kmと大幅に削減された。その結果、極限のパフォーマンスから静かでエフォートレスな電動ラグジュアリーまで、並外れた走行性能を提供する。

今回、高速トンネル走行を安全に達成するためには、13カ月の準備と計画が必要だった。新型コンチネンタルGTスピードは、高速走行に適した空気圧にタイヤをセッティングする以上の改造をすることなく最高速度に達することができたが、狭いトンネル内での走行には特別な注意が必要だった。

最初のステップは、記録達成に適切なトンネルを見つけることだった。ノルウェーのスタヴァンゲル近郊にあるリフェルケトンネルは、比較的直線的でスムーズ、かつ長さの余裕もあり、完璧な候補となった。ベントレーは、ノルウェー公営道路局と地元スタヴァンゲル警察に交渉し、トンネルと制限速度を超えるために必要な許可証を得ることができた。

幅10mのトンネルの中で最高速度を出したときの自動車の物理的な挙動を、数値流体力学を使ってシミュレーションしたところ、トンネル内では空気抵抗が11%ほど高くなることが明らかになった。そして、クルマへの空力負荷は、トンネルの壁に跳ね返るクルマの衝撃波や航跡にも影響されるため、ベントレーの車体エンジニアはクルマの周囲のパネルにかかる非定型的な力もテストしなければならなかった。シミュレーションの結果、車両をトンネルの中央で走行させることの重要性が示された。車両がトンネルの側面に近づくと、車両とトンネルの壁の間の空気の流れが加速され、吸引力が発生して車両がますます壁に近づいてしまうからだ。