世界中で発生、Windows「画面が真っ青」の原因、850万台に及ぶ過去最大のシステム障害はなぜ起きたか

AI要約

世界規模のコンピューター障害が発生し、飛行機のフライトやユニバーサル・スタジオ・ジャパンの運営に影響を及ぼしている。

7月19日にWindowsコンピューターでBSoDエラーが発生し、企業や組織のサービス提供が中断される事態となった。

問題の原因はコンピューターウイルスではなく、障害が拡大している間も回復が進まない状況が続いている。

世界中で発生、Windows「画面が真っ青」の原因、850万台に及ぶ過去最大のシステム障害はなぜ起きたか

飛行機のフライトが中断され、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンも窓口でのチケットの販売を一時中止するなど広範囲に影響が及んでいる世界規模のコンピューター障害。なぜこのような大問題が発生したのだろうか。

7月19日、世界中の、主に業務システムに使われているWindowsコンピューターで画面が真っ青になるエラーが発生し、世の中を大混乱に陥れた。この問題は、コンピューターの歴史において過去最大と言われるまでに影響範囲が拡大している。

■まだ回復できていないサービスも

世界中のコンピューターで最も多く使用されている基本ソフトウェア(オペレーティングシステム。OSと略される)であるWindowsは、OSとしての機能続行ができないほどの障害が発生したときに、青い背景に白字でエラーに関する情報を表示するBSoDとよばれる画面を表示して、機能を停止するようになっている。

BSoDは「Blue Screen of Death」の頭文字を取った略称で、直訳すると「死の青画面」となる。日本では単に「ブルースクリーン」と呼ばれることが多いこの画面の本来の役割は、開発者に対し、発生した不具合に関する情報を表示することだ。

今回、世界中で発生したBSoDの問題は非常に広範囲に及んでおり、空港を含む各種交通機関や医療機関、金融機関、スターバックスなどの飲食店、さらに、日本国内ではテーマパークのユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどもその影響を受けた。BSoDが発生した企業や組織は一時的にサービス提供や各種業務を中断せざるをえない状況になり、記事執筆時点(7月21日)においても、まだ問題から回復できていないシステムやサービスもあるようだ。

■コンピューターウイルスではない

コンピューターに障害が起きる原因は多々あるが、そのひとつには、コンピューターウイルスなど不正プログラムの侵入が挙げられる。最近では、悪意ある者がコンピューターの脆弱性を突いて企業や各種機関に不正プログラムを侵入させ、その組織内のコンピューターを一斉に暗号化、ロックがかかった状態にしてしてしまい、困り果てたターゲット企業に解除キーを購入させようとする、ランサムウェア(身代金要求ソフトウェア)の被害が拡大している。