BYD「欧州ブランドになる」 ハイブリッド車を猛プッシュ、来年3車種を欧州投入 現地生産も

AI要約

BYDは2025年、欧州市場で新たにプラグインハイブリッド車(PHEV)3車種を発売する。EV需要の低迷と輸入関税の高騰に直面する中、市場シェアを拡大するため、より包括的な製品ポートフォリオを形成しようとしている。

BYDは欧州でPHEVとEVを導入し、輸入関税の影響を軽減する計画。欧州では欧州製EVを生産する初の中国ブランドとなる。

欧州市場ではPHEVがEV普及に貢献し、BYDの成長に寄与。リー氏は、欧州において本格的な自社生産を行い、真の欧州ブランドになると語る。

BYD「欧州ブランドになる」 ハイブリッド車を猛プッシュ、来年3車種を欧州投入 現地生産も

BYDは2025年、欧州市場で新たにプラグインハイブリッド車(PHEV)3車種を発売する。EV需要の低迷と輸入関税の高騰に直面する中、市場シェアを拡大するため、より包括的な製品ポートフォリオを形成しようとしている。

今年第2四半期にはテスラに次いで世界第2位のEVメーカーとなり、2022年の欧州市場進出以来、急速に市場シェアを伸ばしている。

BYDの欧州向けラインナップはEVを中心とするが、最近ではPHEV仕様のクロスオーバーであるシールU DM-iを発売している。BYDのステラ・リー社長はAUTOCARの取材に対し、PHEVは成長軌道を維持する上で「非常に重要な役割」を果たすと語っている。

リー氏は「テスラにはEVしかないが、我々にはPHEVがある」として、PHEVを「ゲームチェンジャー」と呼ぶ。

シールU DM-iのようなPHEVは、EV購入に慎重なユーザーにとってフル電動化への架け橋として再び重要性を増しているという。

「多くの人がEVを試したいと思っていますが、現状では航続距離への不安があり、躊躇しています。このクルマがその解決策となります」

リー氏によれば、この傾向は特に中国で顕著で、PHEVやレンジエクステンダー・ビークル(REV)の人気がEVを上回っているという。

「中国は新エネルギー車の先進国で、EVの年間普及率は40%ですが、50%以上はPHEVです。当社のデータによると、一般的な人々はEVの最初の経験としてPHEVを使用しています」

「しかし、数年後には新車に買い替え、60~70%がEVの購入に前向きになっています」

リー氏は、これは中国に限ったことではないと話す。スペインにおけるBYDの販売台数の60~70%は、同社の「グローバル・セールス・チャンピオン」であるシールU DM-iであるという。

PHEVの主なセールスポイントとして、パワートレインの柔軟性とランニングコストの低減が挙げられる。

「PHEVを導入し、人々を慣れさせて、競争力のある価格で提供すれば、人々はその節約効果に気づくでしょう。そうすれば、NEV(新エネルギー車)の数は非常に堅調な伸びを見せるでしょう」

リー氏はBYDが来年どのPHEVを欧州に投入するかについては明言を避けたが、中国ではDM-i仕様のシール06とシール07、およびソンLを販売している。

また近い将来、欧州本土と英国で高級車ブランドのファンチェンバオ(方程豹)を新たに導入する予定だ。PHEVではなく、レンジエクステンダー型の四輪駆動車が発売されると見られている。

また、ハッチバックのオーシャンMやクロスオーバーのシーライオンなど、3車種の新型EVを欧州市場に投入する予定だ。

欧州でパワートレインを多様化することで、欧州委員会がBYDの中国製EVに課している17.4%という追加の輸入関税の影響を軽減できる。ただし、こうした関税を完全回避できるよう、欧州工場の設立も急ぐ。

BYDは2025年末までにハンガリーの新工場で自動車生産を開始し、その直後にトルコでも新工場を稼働させる。欧州に自社工場を開設する初の中国ブランドとなる。

「BYDはグローバルリーダーであり、現在はローカル企業へと変貌を遂げつつあります。現地化は当社の重要な目標の1つ。今後2年間で、BYDは欧州企業になります。現地で生産します。研究開発も現地で行います。BYDは、真の欧州ブランドになるでしょう」

リー氏は、具体的な計画は未定としながらも、現地生産の対象としてすべての欧州市場モデルを検討する考えを示した。「最も人気のある車種を、ここで生産する予定です」